DPワールドツアーは、欧州だけでなく、アフリカ、アジア、豪州、米国でも開催・共催しているが、ゴルフを世界的に発展させるため、また地球環境のさまざまな問題を解決しながら、健全にゴルフトーナメントを開催できるよう、あらゆる方面で取り組みを行なっている。
ここではDPワールドツアーで行なわれていた取り組みをご紹介しよう。
ゴルフの発展に向けて、さまざまな分野に取り組んでいるDPワールドツアーCEOのキース・ペリー氏。
エコなツアーを目指して……
ペットボトルでの水の販売を廃止。現在は、このような給水ステーションがコース内にあり、自由に水を汲むことができる。
「全英オープン」でR&Aが数年前から実施しているのが、この給水システム。
過去、トーナメント会場ではペットボトル入りの水を販売していたが、プラスチックゴミをなくすことを目的に、現地で販売されているボトルを購入し、そのボトルを持っていれば、何度でも給水できる仕組みとなっている(自前のボトルで給水している人もいたので、ボトルを購入する必要はないのかもしれない)。
DPワールドツアーの会場でも同様のシステムを発見。エコなツアーを目指す取り組みがこんなところでも行なわれている。
障害者ゴルファーにも最高の舞台でプレーする機会を
右足を失い、松葉杖をつきながらプレーするスペインのホアン・ポスティーゴ。
2年前、DPワールドツアーが新たに開設し、通常のトーナメントと併催している「G4Dツアー」。
これはGolfFortheDisabledの意味で、障害者ゴルファーのツアー。
年間7~8試合が、DPワールドツアー開催コースで同じ週に行なわれ、障害者ゴルファーにモチベーションを与えている。
現在のところ、「賞金が出ないので、そこが問題」と語る選手もいるが、この件に関しても近い将来、変更があるかもしれない。
1年間で中古ボールを13万個回収
会場内に置かれていた、中古ゴルフボールの入ったコンテナ。1年間にわたり、毎トーナメントでボールを回収している。
新品を買おうとすれば、ブランドにこだわらなくても1個300~500円はするゴルフボール。
だが、DPワールドツアーは昨年1月の「ドバイ・デザートクラシック」を皮切りに、ベルギー、オランダ、スウェーデン、フランス、イギリス、UAEなどの国々で開催されたトーナメント会場で、選手や観客、メーカーなどから中古ボールを回収。
「DPワールドツアー選手権」までで13万24個のボールが集まった。
なお、これらのボールは南アフリカとヨーロッパの障害者ゴルフ団体に寄付された。
「この取り組みによって、経済的なプレッシャーがかなり取り除かれた。DPワールドツアーに感謝したい」と南アフリカ障害者ゴルフ協会のリリー・リーチ氏は語っている。
エンタメ会場としても活用
練習場で行なわれていた、曲打ち芸人によるデモンストレーション。
プレーが終わり、日没を迎えると、会場内に設置された舞台で歌手によるコンサートが行なわれている。
LIVゴルフと類似しているところもあるが、選手たちのプレー中に練習場で曲打ちのデモンストレーションが行なわれていたり、あるいはプレー後にコンサートを開くなど、ゴルフ観戦+アルファの試みを実施している。
ISPSのゴルフイベントでもそうだが、来場してくれた観客に、ゴルフ観戦だけではない楽しみ方を提供しようとしているのだ。
レディースデイには女性にシャンパンプレゼント
無料のシャンパンを片手に記念撮影する女性の観客。
大会期間中、DPワールドツアーは、女性や子供たちにもっとゴルフに興味を持ってもらえるように、レディースデイ、ファミリーデイなどを設定。
例えば、大会3日目に設定されていたレディースデイでは、女性にシャンパン1杯を無料で提供したり、練習場で無料レッスン会を開催したり、と女性に嬉しいイベントが1日中、行なわれていた。
トーナメント会場では選手たちのプレーを見るだけでなく、友人や家族と社交の場として楽しんだり、自らゴルフ体験を積める催しも用意。
こういった草の根活動が、ゴルフの発展に貢献している。