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今季絶好調のキャメロン・スミス
オーストラリア勢では、グレッグ・ノーマン以来の
29年ぶり「全英オープン」制覇

Text/Eiko Oizumi
Photo/Dan Imai

優勝トロフィのクラレットジャグを手にする、キャメロン・スミス(中央)。

ゴルフの聖地・セントアンドリュースで行なわれた150回「全英オープン」では、すでに今季2勝を挙げていたキャメロン・スミス(豪州)が通算20アンダーで優勝。自身初のメジャー優勝を飾った。なお、20アンダーというスコアは、2000年にタイガー・ウッズが同地で記録した19アンダーを1打上回る、セントアンドリュースでの「全英オープン」最小スコアであり、今大会史上では2016年のロイヤルトゥルーンでヘンリク・ステンソンが記録した20アンダーとタイ記録である。

「最後の4〜5ホールは、特に左から風がきていて決してやさしくはなかったが、こうしてなんとかやり遂げられたことを誇りに思う。(豪州のケル・ナグルがセントアンドリュースでの100回大会で優勝し、自分が150回大会に優勝したことについては)とても最高だよ!知らなかった。『全英オープン』で優勝すること自体、ゴルファーにとって最高の瞬間だと思うけど、特にセントアンドリュースで勝てたことは、信じられないほどすごいことだよね」

優勝会見で自身のトレードマークになっている長髪について言及。「通常、優勝した後は髪の毛を切ることにしているが、最近ではこれも自分の一部となっているし、ロングヘアを見て笑ってくれるファンもいるから、切らないと思う」と語った。

豪州勢の「全英オープン」の歴史を辿ると、1954年にピーター・トムソンが初めて優勝を飾って以来、キャメロン・スミスで6人目。ピーター・トムソン(5勝)、ケル・ナグル(1勝)、ボブ・チャールズ(1勝)、グレッグ・ノーマン(2勝)、イアン・ベーカーフィンチ(1勝)、そして今年スミスがその名を連ねたのだが、セントアンドリュースで優勝した豪州出身の選手としては、ナグル以来、62年ぶりの快挙だ。そしてノーマンが1993年に優勝して以来、29年ぶりの豪州勢の優勝である。

 「全英オープン」に優勝した選手は「チャンピオンゴルファー・オブ・ザ・イヤー」と呼ばれるが、スミスは「今年は僕の人生の中でも、最高のゴルフができている」と自負。今大会で優勝したことで「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」「プレーヤーズ選手権」に続いて3勝目を記録し、フェデックスカップランキングと世界ランキングで2位に浮上した。両ランキングでスコッティ・シェフラーがトップに立っているが、8月末に閉幕する、今季のフェデックスカップ最終戦までにはまだ5試合ある。初のフェデックスカップ総合優勝、あるいは世界ランク1位も、現実味を帯びてきた。

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