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チャンピオンズディナーとチャンピオンズイベントに
招待されなかった、LIVゴルフCEOの
グレッグ・ノーマン         

Text /Eiko Oizumi
Photo/Getty Images、Oisin Keniry/R&A/R&A via Getty Images

R&Aのチーフエグゼクティブ、マーク・スランバーズ氏が大会前の記者会見に臨んだ。

  現在、PGAツアーやDPワールドツアー(欧州ツアー)と確執のあるLIVゴルフだが、「全英オープン」を主催するR&AもLIVゴルフCEOで、「全英オープン」で2勝を飾るグレッグ・ノーマンを排除する姿勢を見せた。

 セントアンドリュースで開催される「全英オープン」に出場したいと、67歳のグレッグ・ノーマンはR&A に「ゴルフ界への貢献と全英オープン2勝の功績で、今年の全英オープンに出場させてほしい」と特別招待を乞う手紙を送ったが、R&Aはこれを却下(全英オープンチャンピオンは60歳以下、あるいは勝利から10年以内であれば出場資格を有するという規則がある。ノーマンは67歳のため、該当せず)。また、チャンピオンたちの功績を讃え、150回大会を祝う「セレブレーション・オブ・チャンピオンズ」というイベントや、優勝者たちが集まるチャンピオンズディナーにも招待されなかった。R&Aのチーフエグゼクティブのマーティン・スランバーズ氏は、大会前の記者会見の場で、次のように語った。

LIVゴルフCEOを務めるグレッグ・ノーマン。「全英オープン」で2度の優勝を果たしているが、チャンピオンたちのイベントに参加することを拒否された。

「今週はゴルフにとって、とても重要な1週間だ。世界最古のゴルフトーナメントであり、ゴルフトーナメントの起源でもある。アラン・ロバートソンが1859年に世界のベストゴルファーになったが、その彼が死去し、1860年から「全英オープン」が始まって、過去149回、最終日の日曜日に“チャンピオンゴルファー・オブ・ザ・イヤー”が誕生してきた。そして今年で150回を迎えることになったのだ。そこで我々はこの試合と伝統を祝うために誰にも邪魔されたくないとの決断を下した。グレッグは2010年以来、大会にはきていないし、2015年の(セントアンドリュースでの)大会にも来なかった。だから、今回出場しようとしているのは、何か違う理由があるからだろう。だから今週の大会への誠実さを守るため、招待しなかったのだ」

 また一方で、LIVゴルフに対しては、次のような見解を示した。

「プロゴルファーはプレーする場所を選ぶ権利があり、オファーされる賞金を受け取る権利もある。それについては何の問題もない。だが、センチュリオンやパンプキンリッジで行なわれたこと(LIVゴルフイベントのこと)は、ゴルフというスポーツに長期的な利益にはならないし、完全にお金でコントロールされていることだ。ゴルフというスポーツを特別なものにしている「全英オープン」の競技の文化や精神性を弱体化させるものと考えている」

「我々はもちろん、『全英オープン』の出場資格の基準を変更する権利を持っている。予選免除や出場資格の基準を見直す可能性もある。基本的に選手は『全英オープン』に出場するための資格を得なければ出場はできないのだ。最高のゴルファーが出場できないとは言っていない。誰に対しても門戸を開いているのが、『全英オープン』。しかし、我々はいかに出場権を得るかを見ていかないといけない」

「誰が優勝しようと(LIVゴルファーが優勝しようと)、日曜日にはその選手の名前をトロフィに刻むことになる。そして18番グリーンに迎え入れるつもりだ。これはゴルフの試合であり、『全英オープン』は世界のベストプレーヤーを讃える大会。日曜日の夜までに最小ストロークで上がってきた選手が誰なのかを見たいのだ」

 世界のゴルフを牽引するリーダー的存在のR&A。今年はLIVゴルファーたちを迎え入れたが、LIVゴルフについては、「ゴルフというゲームを成長させるためというコメントは信用できず、我々が改善しようと一生懸命取り組んでいるゴルフというスポーツの評判を貶めていると思う」と厳しく非難するスランバーズ氏。来年、LIVゴルファーたちは「全英オープン」に出場することができるのだろうか?「マスターズ」や「全米オープン」なども含め、PGAツアー、DPワールドツアー以外のゴルフ団体の、今後の対処が気になるところだ。

最近、練習ラウンドはLIVゴルファー同士で行なうという傾向がある。 ゴルフ団体同士の軋轢だけでなく、選手間同志にも分断傾向が見られる。写真は全てLIVゴルファー。左からフィル・ミケルソン、ポール・ケイシー、セルヒオ・ガルシア、ブレント・ウィースバーガー、ジェッド・モーガン。

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