Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Dan Imai
セントアンドリュースと、ちょうど地球の真裏と言ってもいいくらい遠く離れている国・オーストラリア。今年はこのオーストラリア出身のキャメロン・スミスが優勝したが、スミス曰く、スコットランドのリンクスコースとオーストラリアのコースには共通点がいくつかあるのだという。それは、地面の硬さと転がりの速さ、風の強さだ。彼は大会前の記者会見で、次のように語っていた。
「僕はセントアンドリュースでの『全英オープン』には初めて出場したが、このコースは何かオーストラリアを思い出させるものがある。地面が非常に硬く、速い。だからオージー達は楽しめるんじゃないかな」
「フェアウェイにボールを止めることが難しく、風も強いからすぐにラフに入ってしまう。でもリーシュ(マーク・リーシュマン)とスコッティ(アダム・スコット)は練習ラウンドで非常にいいゴルフをしていた。今週はいい1週間になりそうだ」
練習日に、オーストラリア勢3人で一緒に練習ラウンドしていたが、スミス曰く、このコースの特徴をフェアウェイの硬さと転がりの速さ、風だと指摘。タイガー・ウッズも「グリーンよりもフェアウェイの方が(転がりが)速い」と語っていたように、なかなか思うところにボールが止まらず、期せずしてラフやポットバンカーに入ってしまうのだ。スミスは「オーストラリアのサンドベルトエリアのコースと非常に似ている」といい、特にウェッジを使う小技で、自在にボールを操れないと対応できないという。
「ここではすべてのショットが打てないとダメだ。もしウェッジ使いがあまりうまくできないと、すぐにそのツケが回ってきて、大叩きにつながる」
前週の「スコティッシュオープン」から乗り込み、スコットランドのリンクスに対応できるよう、準備を重ねてきた。最初は地面の硬さや風の対応に戸惑ったようだが、徐々に慣れてくると風の中でもコントロールがある程度効くようになり、ターゲットに対して正確に狙えるようになったという。
「僕は、タフなコンディションで実力を発揮するタイプだと思っている。ほとんどのオージーがタフなコンディションに比較的強いと思っているが、時にはピンを敢えて狙わないような、賢いゴルフがオージーにはできるんだ」
賢く、粘り強く、そして積極的に攻めた結果、最終日は5連続バーディを含む、8バーディ、ノーボギーの64をマーク。3日目を終えて4打差の3位タイにつけていたスミスは、見事、逆転優勝を飾った。