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【私の愛したゴルフコース】第11回ロイヤルカウンティダウンゴルフクラブ (北アイルランド)

世界のゴルフフォトグラファーの第一人者として今も第一線で活躍するデビッド・キャノン。

彼のファインダーを通して切り取られた世界のゴルフコースの数々は、まるで宝石箱のジュエリーのように一つ一つが個性豊かに輝いている。

世界のゴルフフォトグラファーの巨匠「デビッド・キャノン」の私の愛したゴルフコース、第9回はカウリクリフスゴルフコース (ニュージーランド)を紹介する。

Royal County Down Golf Club

©Getty Images

ロイヤル・カウンティダウンGC
●設計:オールド・トム・モリス、ジョージ・コム、ハリー・バードン、ハリー・コルト
●全長:7186ヤード(パー71)
●備考:1889年3月にオープンした、アイルランドで最古のゴルフ場の一つ。
過去、「ウォーカーカップ」など数々のアマチュアの大会を開催してきたほか、「アイリッシュオープン」「全英シニアオープン」も開催。
世界のベストコースの中で、常にトップ5に入る名コースだ。
チャンピオンシップリンクスとアネスリーリンクスの2コース。
ベルファストシティ空港から車で50分。
https://www.royalcountydown.org

世界の名だたるコースがひしめき合う北アイルランド

ロイヤル・カウンティダウンGCは、北アイルランドのモーン山脈の麓にあるダンドラム湾に面した海岸沿いの町・ニューキャッスルにある美しいコースで、いつ訪れてもワクワクさせてくれる、神秘的なゴルフ場の一つだ。
世界のトップコースに常にランクインしているこのコースでのプレーは、非常に特別な体験だと言える。
北アイルランドには、ロイヤル・カウンティダウンとロイヤル・ポートラッシュというゴルフ場があるが、どちらのコースをランクの上位に入れるかで意見がぶつかり合い、難しい議論が幾度となく交わされる。
そのくらい、北アイルランドには世界有数のコースがいくつもあるのだ。

ロイヤル・カウンティダウンには18ホールのコースが2つあり、有名なチャンピオンシップリンクスは、オールド・トム・モリス、ハリー・バードン、ハリー・コルトが、異なる時期に設計したものである。
また、アネスリーリンクスは、廣野ゴルフ倶楽部の改修を手がけたマーティン・エバート氏によって最近改修された。
このクラブでは、英国やアイルランドの主要なアマチュア大会のほか、「ウォーカーカップ」や「カーティスカップ」などが開催されている。
また、「アイリッシュオープン」や「全英シニアオープン」も開催。「全英シニア」では2002年に日本の須貝昇がチャンピオンに輝いている。

1889年にオープンしたアイルランドでも最古のコースの一つであり、世界屈指のチャンピオンシップコース。

©Getty Images

6th Par4/396yard
自然の造形美を生かしたデザインで、手つかずの美しさと難しさが共存する。

©Getty Images

2002年「全英シニアオープン」で優勝した須貝昇。高橋勝成、海老原清治も5位に入る健闘を見せた。

©Getty Images

2007年にロイヤル・カウンティダウンで行なわれた、欧米のアマチュア対抗戦「ウォーカーカップ」に出場した北アイルランドのローリー・マキロイ。米国からはダスティン・ジョンソン、リッキー・ファウラーらが参加し、米国チームが優勝した。

Supposedly the number 1 course in the world (I don’t agree!)
おそらく世界NO.1コースだろうが、私は同意しない!(苦笑)

©Getty Images

マーラウ国立公園内のダンドラム湾に面した場所に広がる世界屈指の難コース。フェアウェイには起伏があり、海からの風が難易度を高めている。

難関コースをプレーしながら眺めたい風景

1番ティーに向かうと、波の音が聞こえてきて、海岸に沿ったパー5の1番ホールを見下ろすことができる。
序盤の3ホールは、フェアウェイバンカーと深いラフを避けてさえいれば、比較的楽にプレーできる。
どのリンクスコースでもそうだが、これがゴルファーの鉄則だ。

ここでプレーしていて特に素晴らしい眺めの一つは、3番グリーンの背後にある巨大な砂丘から振り返った風景だ。
この砂丘は、ゴルフコース写真家が必ず登りたがる場所である。
2つのコースとアイリッシュ海から北ウェールズとイングランド、そしてモーン山脈と標高3000フィート(約900m)のスリーブ・ドナードまで、ほぼ360度見渡すことができるパノラマが広がっている。

229ヤード・パー3の4番ホールのバックティーからは、春になると、一面に咲くハリエニシダの黄色い花を楽しめ、晩夏であれば、遠くの山々がヘザーの花で紫色に染まる。
グリーン目がけて打っても、その周りはバンカーに守られ、右には危険なハリエニシダの土手があるので、完璧なショットでなければ、グリーンにたどり着くことはできない。

8番ホール(パー4)の第2打目は、私のお気に入りの一つ。
このホールでパーを決めてスコアカードに書き込む時には、いつでもとても幸せな気分になる。

ここのフロントナイン以上に素晴らしい9ホールは、なかなか思い浮かばないだろう。
バックナインは、美しさという点では劣るものの難関コースで、あらゆるショットで腕前が試される。
もしこのコースで1回しかプレーしないのであれば、ハウスキャディを1人雇っておくのが無難だと思う。
グリーンの表面には難しい傾斜がいくつも隠されているので、コースの知識は大きな助けとなる。

最終ホールは長いパー5で、モーン山脈の眺めが見事だ。
グリーンには数々の微妙な傾斜があるので、ラウンドの最後で3パットにならないようにしたいところだ!
もしこの素晴らしいリンクスで、3パットをせずに18番グリーンを後にすることができたら、大いに自慢していいだろう。

David Cannon デビッド・キャノン(イギリス)

©Getty Images
©Getty Images

海外メジャー100大会以上を取材し、現在も第一線で活躍中のゴルフフォトグラファー界の巨匠。
自身もシングルハンデの腕前で、息子はプロゴルファー。
アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアと世界各国を股にかけて撮影している。Getty Images所属。

Text & Photo/ David Cannon (Getty Images)

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