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【私の愛したゴルフコース】第9回 カウリクリフスゴルフコース(ニュージーランド)

世界のゴルフフォトグラファーの第一人者として今も第一線で活躍するデビッド・キャノン。

彼のファインダーを通して切り取られた世界のゴルフコースの数々は、まるで宝石箱のジュエリーのように一つ一つが個性豊かに輝いている。

世界のゴルフフォトグラファーの巨匠「デビッド・キャノン」の私の愛したゴルフコース、第9回はカウリクリフスゴルフコース (ニュージーランド)を紹介する。

Kauri Cliffs Golf Course

©Getty Images

カウリクリフスGC
●設計:デビッド・ハーマン
●全長:7139ヤード(パー72)
●備考:世界有数の設計家リース・ジョーンズにより改修が行なわれた。7月20日以降はグリーンの張り替えなどで9月中旬までクローズされる。12月2日再オープン予定。リゾート内には高級ロッジやスパなども完備。北島のオークランド国際空港から約300キロ北上した場所に位置する。
https://www.robertsonlodges.com/the-lodges/kauri-cliffs/golf

ニュージーランドの美しき秘宝

カウリクリフスGCは、ニュージーランド北島のオークランドから北へ、車で約4時間のところにある。
ここは「デビッド・キャノンのゴルフ界七不思議」の一つに数えられるコースだ。ベイ・オブ・アイランズの海岸沿いに位置しており、素晴らしい海の風景を眺めることができる。

私がカウリクリフスを訪れたのは2004年3月のことだったが、それは同じ年の1月に、同じくニュージーランドにある、ここの姉妹コースのケープキッドナッパーズGCに衝撃を受けたからだ。
この雄大なロケーションに匹敵するコースなんかあり得ないと、大金を賭けてもいいくらいに思った。
だが、それは間違っていた。カウリクリフスは、おそらく世界有数の美しさを誇るゴルフコースの一つだと思う。

カウリリンクスを訪れた際、幸運にも米国人オーナーのジュリアン・ロバートソン氏に会うことができた。
彼はオークランドから自家用の豪華ヘリに同乗させてくれ、コース上空を飛行することができたのは幸いだった。
あまりの素晴らしい景色に息を呑んだ。
ヘリが地面を離れた途端、私はシャッターを切り始めた。
ケープキッドナッパーズの上空を飛んだときは、2人乗りの農薬散布用ヘリだったが、それよりも素晴らしい空撮ができた。
キッドナッパーズの「むき出しの荒々しさ」と比べると、ここの風景は「穏やか」な美しさがある。

また、メインロッジがコースの上に立っているのも、眼下にプライベートビーチ「ピンクビーチ」が広がっているのも、どちらも素晴らしい。
たいていモダンなクラブハウスは、違和感があるものだが、眺めの見事なゲストロッジとともに、趣味の良さが感じられる。
ここでの滞在は、5つ星ホテル並みの贅沢と言っていい。
メインロッジにあるインフィニティプールからは、マオリ族誕生の地とされる「母なる島」と美しい海を見渡すことができる。

B・スネデカーが「ペブルビーチ」より美しいと評したニュージーランドの秘境コース

8th Par5/539yard

©Getty Images

15ホールから太平洋を望める崖の上に造られたゴルフコース。
うち6ホールはそそり立つ崖に沿ってプレーが楽しめる。

Just beautiful
ただただ美しい

©Getty Images

15番ホール(544ヤード・パー5)の「クックズフック」と呼ばれるグリーン。目の前には美しい太平洋が広がる。

どのホールも印象的でベストホールを選べない

1番ホール(パー4)の「タコウ」は、自然の小渓谷に沿って進むホール。
著名な設計家デビッド・ハーマンの見事なデザインを象徴する特徴の一つ「自然の起伏を巧みに利用」が反映されている。

内陸のホールと海辺のホールとの対比もとてもいい感じだ。
15番ホール(パー5)の「クックズフック」のグリーン脇に立って、ベイ・オブ・アイランズを眺めていると、自分がいるのは本当にゴルフ場なのか、という思いにとらわれてくる。

「テンプテーション」と名付けられた16番ホールは、ドライバーでグリーンを狙える短いドッグレッグのパー4だ。しかし左に傾斜しており、リスクもあるが見返りも大きい。
ゴルファーを翻弄して試練を与える、小憎らしいホールだ。

17番ホール(パー4)の「レインボー」は、ロッジのプライベートビーチへと続く崖の端に設けられている。
完璧に左右対称な1本の松の木の前にグリーンがあるが、今まで見た中でも特に心を奪われてしまうようなグリーンの一つだ。
この松の木を入れた写真は、私のお気に入りの1枚だ。

私は、最高のゴルフ場の写真を撮れるのはスコットランドとアイルランドと答えることにしているが、ニュージーランドもその2つに匹敵する。
英国とニュージーランド双方に共通するのは、風景と空の美しさだ。
中でもカウリクリフスは手付かずの自然と、海に向かって広がる魅惑的な景観とが見事に一体となっている。
地球の反対側にある地球上でも指折りの美しさを誇るカウリクリフスに滞在して、写真を撮影し、ゴルフをするという大変な名誉と幸運とに恵まれ、私は幸せだ。

©Getty Images

カウリクリフスの入り口では、リゾート名が刻まれた、素朴なカウリツリーのサインが迎えてくれる。

©Getty Images

眼前には美しい大海原とゴルフ場が広がる、カウリクリフスの豪華ロッジ。

David Cannon デビッド・キャノン(イギリス)

©Getty Images
©Getty Images

海外メジャー100大会以上を取材し、現在も第一線で活躍中のゴルフフォトグラファー界の巨匠。
自身もシングルハンデの腕前で、息子はプロゴルファー。
アメリカ、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアと世界各国を股にかけて撮影している。Getty Images所属。

Text & Photo/ David Cannon (Getty Images)

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