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PGAツアーメンバーのLIVゴルファー
17名をPGAツアー出場停止に

Text & Photo/Eiko Oizumi

LIVゴルフの花形プレーヤーのフィル・ミケルソン(右)とダスティン・ジョンソン。LIVゴルフ・インベストメンツCEOのグレッグ・ノーマンに見守られながら初日は1番ティからスタートした。

「LIVゴルフインビテーショナル」がロンドン郊外のセンチュリオンGCで14時15分にショットガンで一斉にスタートした直後に、PGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーからの書簡の形で、同大会に出場しているPGAツアーメンバーへの出場権の停止、あるいは出場資格の喪失を発表。関係者から漏れ聞いたこの発表に、淡々とプレーはこなしながらも驚きを隠せない選手も多かった。

 この書簡の内容によれば、LIVゴルフイベントに参加したPGAツアーメンバーは、将来出場する予定の選手も含め、PGAツアー、コーン・フェリーツアー、PGAツアー・チャンピオンズ(シニアツアー)、PGAツアー・カナダ、PGAツアー・ラテンアメリカへの出場資格を喪失し、「プレジデンツカップ」にも参加できない。また、今大会に出場した選手は、「RBCカナディアンオープン」終了後、フェデックスカップポイントリストからも名前を削除され、ノンメンバーとなった後にスポンサー推薦などで出場することもできない。

 また、LIVゴルフイベントに出場していないツアーメンバーに対して、「優先順位やトーナメント資格、またはフェデックスカッププレーオフへの参加資格の点において、現在の時点でツアー資格を返上していない対象選手(LIVゴルフインビテーショナルに出場しているツアーメンバー)により、悪影響を受けることはない」とも表明している。

ジェイ・モナハンコミッショナーは書簡の中で、次のように語っている。
「LIVゴルフ出場選手は、金銭的な理由などにより、LIVゴルフ参加を決断したのだ。しかし彼らは、PGAツアーの特典や、機会、プラットフォームなどを要求することはできない。どちらにも参加したいという期待は、ツアーメンバーの皆さん、ファン、パートナーたちを軽視することになる」

 では、今回出場したPGAツアーメンバーで、やはりLIVゴルフ参加をやめてPGAツアーに戻りたいという選手に対しては、救いの手はあるのだろうか?

「この手の質問に対しては、既に準備している。我々は透明性を持って、PGAツアーのレギュレーションを尊重しながら、復帰へのプロセスを踏んで行くべく、彼らにアプローチするつもりだ」

「今週のRBCカナディアンオープンはPGAツアーとともに皆さんと一緒に作り上げてきた最高の例の一つだ。ツアーのスターたちが出場し、スポンサーがいて、ホスピタリティ関連の商品もすべて完売。ギャラリー数も更新しているし、世界的に放映されている。こうした要素はPGAツアーのDNAであり、ジャック・ニクラスやアーノルド・パーマー、そしてタイガーや他の選手たちが作り上げてきたものだ。彼らのレガシーはPGAツアーと深く結びついているものであり、買収されたり、販売するものではない」

 最後にこの書簡では、ツアーの出場停止を言い渡された対象者が名指しでリストアップされていた。それは以下の通りである。

セルヒオ・ガルシア(*)
テーラー・グーチ
ブランデン・グレース(*)
ダスティン・ジョンソン(*)
マット・ジョーンズ
マーティン・カイマー(*)
グレアム・マクドウェル(*)
フィル・ミケルソン
ケビン・ナ(*)
アンディ・オグレトリー
ルイ・ウーストハイゼン(*)
ターク・ペティット(*)
イアン・ポールター
シャール・シュワーツェル(*)
ハドソン・スワフォード
ピーター・ユーライン
リー・ウエストウッド(*)
*のついている選手は、既にツアー資格を返上している選手

この発表内容は、ある程度予測できていたこととはいえ、世界のゴルフファン、そして選手自身にもショッキングなニュースだったと言えよう。

 そしてJGTOツアーを含む、他のツアーメンバーの選手が、今後PGAツアーのシード権を獲得したい、あるいはスポンサー推薦で出場したいという場合は、どうなるのだろうか? まだ今の時点では、ノンメンバーについての規程がないため、あれこれ想像するのは時期尚早ではあるものの、今週の大会に出場しているLIVゴルファーたちの心境は決して穏やかではない。

LIVゴルフは、サウジアラビアの政府系ファンドPIFの資金をバックに、グレッグ・ノーマンが推進している新リーグ。写真中央のヒゲの男性はPIFのCEOであり、世界最大のサウジアラビアの石油会社「アラムコ」のCEOも務めるヤシル・アル・ルマイヤン氏、その右隣はゴルフサウジのCEO、マジェド・アル・ソロル氏。
初日に首位に立ったシャール・シュワーツェル。事前にツアー資格を返上していた彼も、涙を浮かべながら「20年にわたって、自分は世界中のどこでもプレーしたいところでプレーしてきたし、これ(LIVゴルフ)も違うツアーでプレーできる機会だった。PGAツアーもヨーロピアンツアーも、他のどんなツアーにも敬意を表しているが、いつかこのルールが変わる日が来ればいいと思っている」と語った。
大会スタート前、30分前にPGAツアーのメンバー資格を返上した、というグレアム・マクドウェル。「返上するのは、厳しい決断だった。モラルを持って、メンバー資格をキープしたかった。辞退する必要を感じていなかったからね。PGAツアーが大好きだし、辞退はしたくなかった。私は弁護士とも話をしたし、LIVには法律チームもいる。我々は今回のことで自分たちの権利を守った、と強い自信を感じている」
1週間半前に、メンバー資格を返上していたというセルヒオ・ガルシア(左)。「僕はメンバーではないから、追放されることもないし、PGAツアーとは関係ない。ジェイ・モナハンに何かを言える立場でもない」

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