「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」
18番グリーン周りだけに観客を入れて実施_
2021年1月10日
Text & Photo/Eiko Oizumi

今年初戦の米ツアー「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」では、コロナ禍でのPGAツアー開催において、昨年11月の「ビビント・ヒューストンオープン」以来、2回目の有観客スタイルで行われた。
ただし今大会は一部、18番グリーン周りにだけ限られた人数(1日約200名)の観客を入れ、実施されていた。観客はコース内を歩くことを禁止されており、歩いているのは取材を許されたメディアと選手の家族や関係者が数名だけ。18番グリーン周りの限られたエリアでプレーを見るしかない状況だったものの、オンラインでのチケット販売は大会前に既に完売。エリア内では飲食をとれるようになっていて、清潔なトイレも完備。貸し出し用の椅子も用意されており、ゆったりと観戦できるようになっていた。マスク着用は当然義務付けられているが、マスク越しに選手の名前を大声で呼んでいる人はあまりおらず、例年に比べると比較的静かに観戦している人が多かった。

場内の雰囲気はとても静かで、選手たちはいつも通り淡々とプレーをしている。18番グリーン周り以外は、長いバーディパットが決まっても手を挙げて声援や拍手に応えるシーンもないし、優勝が決まっても周囲に多少観客はいるもののその興奮の熱量自体が少ない。何か味気なさが残るが、これが今の時代のニューノーマル。昨年の6月のツアー再開後は、こうした「人のいない静かな試合」に選手たちは慣れているが、誰もが「ファンたちには早く戻ってきてほしい」と願っている。タイガー・ウッズなど大勢のファンを引き連れてプレーしていた人たちはなおさらその想いが強い。いち早くコロナが収束し、本来のノーマルに戻って欲しいと願う。
