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「LIVゴルフ・シンガポール」で
テーラー・グーチ、2週連続優勝

Text/Eiko Oizumi
Photo/LIV GOLF

前週の「LIVゴルフ・アデレード」に続き、2週連続で個人戦優勝を果たしたテーラー・グーチ。

 

  LIVゴルフ史上初の、2週連続優勝者が誕生した。前週のアデレード(豪州)と今週のシンガポールで優勝したのは、レンジゴーツGC(ババ・ワトソンがキャプテン)のテーラー・グーチ。最終日、セルヒオ・ガルシアと終始、首位の座を巡って互角のプレーを展開していたが、54ホールを終えてともに16アンダーだった2人は、その決着をプレーオフに持ち込んだ。

 パー5の最終18番ホールで行なわれたプレーオフ1ホール目、ガルシアのティショットをオーバードライブしたグーチは、ガルシアが2打目を右手前のバンカーに入れたのに対し、2オンに成功。3打目のパットで確実にバーディ圏内の位置に寄せた。一方、ガルシアは3打目のバンカーショットが失敗し、グリーンに乗らずにラフからのアプローチとなったが、寄せきれずボギーを叩いたところで万事休す。グーチの優勝が決まった。彼は個人戦でも優勝し、彼の属するレンジゴーツGCを初めて、チーム戦優勝に押し上げた。ガルシアがキャプテンを務めるファイヤーボールズGCとは3打差だった。

「ずっと表彰台に上がることをチームで話していたんだ。そして長い間、どれだけシャンパンを顔に浴びせるつもりかを話してきたんだ。それは時間の問題だった。本当に最高だ」

「(優勝して、表彰台で)シャンパンのボトルを開けるのを、できるだけ長い間続けたいけど、このゴルフのレベルでずっと戦うことは無理なのは知っている。だからそういうタイミングが来たら、その機会をエンジョイし、できるだけそれが長く続くようにトライするだけだ。そしてそれが途切れてしまったら、できるだけ早くもう一度軌道修正できるようにするだけ」

 今年のLIVゴルフの初戦・マヤコバでも最終ラウンドを首位タイで迎えたグーチだが、その時は「自分が優勝するときではない」と思ったという。だが、シンガポールの最終日は、「ゴルフの神様が僕に勝たせたいと思う日々のうちの1日だったと思う」と語る。

 1大会の個人戦優勝者に与えられる優勝賞金は、4ミリオンドル(約5億4500万円)で、2週連続優勝を果たしたグーチは、たった2週間で約11億円を荒稼ぎしたことになる。しかも団体戦ではアデレードで2位に入り、シンガポールで優勝したので、約1億5000万円を獲得。この2週間で彼は、9.12ミリオン(約12億4200万円)を獲得している。この大金を得て、どんなことに使うつもりなのかを優勝会見で聞かれると、

「妻と素敵なちょっとしたディナーに行くつもりだよ。それと彼女に何か買ってあげようかな」と語った。

 昨年は、ダスティン・ジョンソン率いる4エイシズGCに属し、何度も団体戦優勝を経験したグーチだが、今オフにババ・ワトソン率いるレンジゴーツGCに移籍。同組メンバーの友人、ハロルド・バーナーと同じチームに属したいということで、ダスティン・ジョンソンに相談したという。圧倒的な強さを誇る4エイシズを抜け、レンジゴーツGCで戦うことを決意したグーチは、自らの力で優勝に貢献し、4エイシズに負けないチームを作りたかったことだろう。全部で48人で争われるLIVゴルフで、しかも世界ランキングポイントも与えられないが、今のグーチは他のどのツアーの優勝者と比べても、引けを取らないほどの強さを誇っているのではないか。

最終日、最終組でテーラー・グーチとプレーし、プレーオフまでもつれ込んだセルヒオ・ガルシア。
団体戦でも優勝を収めた、テーラー・グーチが属する「レンジゴーツGC」。チームのメンバーは他に、ハロルド・バーナーⅢ(左端)、ババ・ワトソン(キャプテン・左から6番目)、今年から参戦しているトーマス・ピータース(右から2番目)がいる。

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