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キム・キョンテの、感情を表に出さない
スタイルに憧れている中島啓太

Text & Photo/Eiko Oizumi

韓国メディアに囲まれ、取材を受ける中島啓太。

 「シンハンドンヘオープン」最終日に1イーグル、6バーディ、2ボギーの66をマークし、3位タイで終了したJGTO賞金ランキング2位の中島啓太。優勝したコ・グンテクに2打差の17アンダー、3位タイで4日間のプレーを終えた。

「前半2番と7番の3パットがもったいなかった。8番でボギーにして流れが悪かったが、後半はすごくいい集中力でプレーできた。8番で落としても、9番で取れたのが大きかった。初日の出遅れさえなければ、優勝も狙えていたかもしれないので、本当に悔しいですね」

 初日、1アンダーの71位タイでスタートし、その後は67、67、66と3日間連続で60台をマーク。

「久しぶりに3日間ロースコアで回れたのは、日本でもなかったので、よかったと思います。今日は特に後半でたくさん伸ばせたのがよかったですね」

国内では、バーディ率1位、パーオン率2位、トータルドライビング2位とショット力に定評がある中島。

 日本人では最上位の3位に入り、賞金5万3235ドル(約788万円)を獲得。前週までトップに立っていた金谷拓実は出場していなかったため、賞金ランキングで再びトップに浮上した。PGAツアーを目指す中島だが、10月には「ZOZOチャンピオンシップ」に出場することが決まっている。

 中島啓太について興味を抱く韓国人メディアも多いようで、ホールアウト後には囲み取材を受けた。

「韓国の若手は、PGAツアーに行きたいと言う人も増えているが、中島選手はどこを目指している?」と韓国人メディアに聞かれると、「僕も韓国の若手と同じ。今年は日本ツアーで最後までプレーするが、来年はわからない。なるべくPGAツアーに1番早く行ける道を選びたいと思う。『ZOZOチャンピオンシップ』は出場するし、1番大事に考えている」と答えた。

 また、「憧れの選手は?」の問いには、「ゴルフを始めたきっかけは、タイガー・ウッズだが、試合に出るようになってからはプレースタイルとか、人間性とか、プレーする時の姿勢はキム・キョンテさんですね。クレバーな感じというか、表に感情を出さないところに憧れています」と語った。

 中島啓太もポーカーフェースで、プレー中に表情を顔に出さないタイプだが、そのルーツは、かつて日本ツアーで14勝を飾り、柔和な顔立ちにも関わらずその強さから「鬼」と呼ばれたキム・キョンテだったのだ。

日本ツアーで通算14勝(メジャー1勝)を遂げたキム・キョンテ。2010年、2015年には日本で賞金王に輝いたが、現在は韓国ツアーに出ながらも、背中の痛みに苦しんでいる。

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