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親友ジャスティン・トーマスとの
パートナーとしての関係
ジョーダン・スピース

Text/Eiko Oizumi
Photo/ Rolex/Thomas Lovelock、Bart Michiels、JD Cuban
Thanks to Rolex

過去4回の「ライダーカップ」に出場したジョーダン・スピース。今年はキャプテン推薦で出場する。

 過去、2014年、2016年、2018年、2021年と連続4回の出場を数えるジョーダン・スピース。今年は米国チーム・キャプテンのザック・ジョンソンによるキャプテン推薦で5回目の出場が決まった。昨年、世界選抜チームとの対戦「プレジデンツカップ」では、5戦全勝という快挙を達成しており、その活躍を期待されている。

Q : 昨年は「プレジデンツカップ」で米国チームが優勝しましたが、今年の「ライダーカップ」に向けて、何か教訓を得ましたか?

ジョーダン・スピース(以下JS):2021年の「ライダーカップ」と2022年の「プレジデンツカップ」は非常に似ていると思いました。これは主に、チームの構成、選手の平均年齢、大会前からの友情や新たに築かれた友情の要因によるものです。正直なところ、プロゴルフ界が過去1年間で経験したことは、PGAツアーのゴルファーたちの絆を強化しました。「プレジデンツカップ」はそれを確固たるものにし、チームは非常に団結していました。私たちはすでに友人であり、練習ラウンドでも競争心を燃やしていました。どの選手をどのペアにするかの決定は難しかったです。12人の選手の誰とでもペアを組める状態と言えるでしょう。この状況になると、キャプテンたちのストレスは軽減されます。過去数年間は確かにユニークな状況で、キャプテンと選手の関係、チームルーム内の影響力も変化しましたね。2021年の「ライダーカップ」の記者からの質問で、「勝たない限り、これらの大会は何も意味がないのか?」と聞かれました。私は4回の「ライダーカップ」に出場した経験から、そうではないと言えます。私はアメリカで2勝し、アウェーの地で2敗しました。米国チームがアウェーの地で2回勝利するまでは、「ライダーカップ」の未来が米国チームにあるとは言えません。「ライダーカップ」は、私たちがホームから離れて、ヨーロッパの地で戦う時に異なる難しさがあります。ローマで勝つことは、本当に特別なことです。

Q: 今年の「ライダーカップ」はローマで開催されますが、ホームから離れた地で戦うにあたり、どんな気持ちですか?コースセットアップ、雰囲気、気象条件などは、どう違ってくると思いますか?

JS:過去5年間、「ライダーカップ」をヨーロッパでプレーしていないということが難点ですね。ほとんどのチームメンバーは若手であり、ヨーロッパでの「ライダーカップ」経験がほとんどありません。彼らは非常に特別な経験をすることになりますが、それと同時に、待ち受けていることを理解する必要もあります。私の最初の「ライダーカップ」は2014年にヨーロッパで行なわれましたが、経験豊富な選手たちがいて、その大会全体の雰囲気を説明してくれました。これは、私のような新人が、初日の朝に雰囲気に圧倒されないようにするためです。練習ラウンドとは異なり、みんな楽しんでおり、観客とも交流しています。観客は非常に素晴らしく、知識豊かです。木曜の朝になると、1番ティーから拍手や歓声が響いてくるのが聞こえてきます。そして、観客たちが米国チームのためにそこにいるわけではないことに気付くんです。この時点で雰囲気が違うとわかります。できる限りメンタル面で準備をし、ゲーム面でも準備をすることが非常に重要です。これらの2つの要素は、この大会に向けて同じくらい重要なことなんです。

2021年「ライダーカップ」でペアを組んだジョーダン・スピース(左)とジャスティン・トーマス。彼らは少年時代から良き親友であり、ライバルだ。

Q: 2022年の「プレジデンツカップ」では、ジャスティン・トーマスとのタッグを組んで成功しましたが、ローマでの「ライダーカップ」でも楽しみですか?

ジャスティンとのペアリングが、なぜそこまで強いんでしょうか?

JS: 私たちは長い間付き合いがありますが、それは必ずしも私たちのゴルフのスタイルが合うとか、メンタリティが同じとか、陰と陽がうまく機能するということを意味するわけではありません。しかし、私たちは実際に数年間にわたって多くの対戦をしてきた結果、それが機能するということがわかったようです。お互いの能力を信頼しているという安心感がある一方で、実際、チームイベントで戦わない限り、私たちは2人で交互に同じボールを打つというプレーはしていません。この点では、私たちは暗中模索の状態でした。互いにどんな影響があるのか、試してみるまでわからなかったからです。しかし最終的には、うまくいきました。今まではずっと、私たちはベストボール方式でうまく行くと考えていましたからね。一緒にプレーするときは、とても楽しい時間を過ごし、妻たちも本当に親しい友人同志。「ライダーカップ」の独特な雰囲気を理解し、勝利を望む一方で、その経験を最大限に楽しみたいと思っています。20年後にこの試合を振り返ったとき、素晴らしい時間を過ごし、チームメイトに囲まれる雰囲気を楽しんだことを語りたいですね。多くの試合で勝っても、雰囲気を楽しむことができなければ、価値がありません。また、私たちはまだ若いので、ジャスティンと私のパートナーシップはこれからも長く続く可能性を感じています。私たちは一緒にプレーし続け、ローマなどの素晴らしい舞台で成功を続けていけることを願っています。

Q: 「ライダーカップ」で、過去または現在のどの選手とペアを組みたいと思いますか?

JS:私は2000年のタイガー・ウッズを選ぶと思います。また、ベン・ホーガンも考えられます。彼はわずか3つのメジャー大会に出場し、すべてを制覇しました。彼らはその時代で最高のプレーをしてきた最高の選手ですからね。ジャック・ニクラスも言及しないわけにはいきません。私はジャスティンを信じていますが、そのような比較がされると、他の選手を選ぶのは難しいですね。

Q: あなたのゴルフキャリアに最大の影響を与えたのは誰ですか?

JS: タイガー・ウッズが私のゴルフキャリアに最も大きな影響を与えました。また、私の父も大きな影響を与えました。彼がゴルフを始めるよう勧めてくれ、機会を提供してくれ、目標を設定する手助けをしてくれました。タイガーの全盛期は、私がゴルフを愛し始め、最高の成績を出すために本当に集中し始めた時期と重なっていました。

Q: あなたに与えられた最高のアドバイスは何ですか?

JS: ハーヴィー・ペニックの言葉を思い出させる言葉があります。ジャスティン・レナードが言っていたんですが、「穏やかに話し、太いこん棒を持てば、成功するだろう(言葉は控えめに、ただ必要な時には力を持ってすれば、うまくいく)」。それは良いアドバイスですが、私はそれに十分に従っていないかもしれません!

Q: 2012年にプロに転向した当時の若い自分に何と言いたいですか?

JS: 急ぐなと言いたいですね。起こっていること全てを楽しむように、前に進みすぎないように、と。私は2012年に学校を辞めてプロ転向しましたが、これはちょっと急ぎすぎた例です。それを受けて、ゆっくりと時間をかけるようにと言いたいですね。

Q: 世界でも一流のコースでプレーする機会があると思いますが、お気に入りのコースはどこですか? その理由は?

JS: ペブルビーチが上位に入ると思います。素晴らしいレイアウトです。難しさとご褒美がもらえるショットがあり、退屈なショットがありません。そして、コースを歩くのも素晴らしい。簡単に言って、これ以上の素晴らしいコースはありません。

Q: ゴルフ場にいる時以外では、どのようにリラックスしたり、過ごしたりするのが好きですか?

JS: 今、1歳の子供がいるので、彼を追いかけるのが楽しいですね。自由な時間があれば、彼と過ごしたいと思っています! 水泳やスポーツ観戦するのも好きですね。ダラス(テキサス)には多くのプロチームがあり、私はそれらすべてを応援しています。休みの日にはできるだけ多くの試合に行きますよ。ダラス・カウボーイズ、ダラス・マーベリックス、テキサス・レンジャーズ、ダラス・スターズを応援しています。また、大学のあるオースティンに行って試合を観戦したり、そこで過ごすのも楽しいですね。私はアクティブなリラクゼーション派です。5時間も座っていることはありません。ピックルボールをしたり、水泳に行きたいと思うことが多いですね。

2013年にプロ転向したジョーダン・スピースは、同年からロレックスとの関係もスタート。2017年「全英オープン」で優勝した際に、ロレックスから贈られた「オイスター・パーペチュアルGMTマスターⅡホワイトゴールド」(2015年マスターズ、全英オープンチャンピオン、の刻印入り)が大のお気に入りだという。

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