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久常涼、DPワールドツアーの
ルーキー・オブ・ザ・イヤーに

Text & Photo/Eiko Oizumi

DPワールドツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた久常涼と、弟の優樹さん(16歳)。11月に「石川遼インビテーショナル ジャパンジュニア&カレッジマスターズ」の今季最終戦で優勝した。

 今年、DPワールドツアー1年目で「カズー・フランスオープン」で初優勝を飾った久常涼が、日本人として初めてサー・ヘンリー・コットン・ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

久常は、2022年11月に行なわれたQスクール・ファイナルステージで7位に入りツアーの出場権を獲得した後、開幕戦の「フォーティネット・オーストラリアPGA選手権」で2位に入り華々しいツアーデビューを飾った。

そして、2023年の春先には、「ヒーロー・インディアンオープン」と「マジカル・ケニアオープン」で2大会連続トップ10に入るなど活躍を見せたが、フランスのル・ゴルフナショナルで行なわれた「カズー・フランスオープン」で日本人として40年以上ぶりとなるヨーロッパでの優勝を達成した。最終日はバック9で5つのバーディを奪う66のスコアで回り、2位に2打差をつけての優勝。世界ゴルフランキングでも自身初のトップ100入りを決めた。

 そして最終戦の「DPワールドツアー選手権」で18位タイで終え、その結果2023年レース・トゥ・ドバイランキングで17位に。2024年PGAツアーの出場権を獲得し、両ツアーのメンバーシップを確保した。

 現在、世界ランキング83位の久常は、強力なライバルを退けDPワールドツアーの大会コミッティー3人と同ツアーのエグゼクティブ3人で構成されるパネルにより、名誉ある2023年サー・ヘンリー・コットン・ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出されたのだ。

 久常と同賞を争った選手には、プロ転向3ヵ月で「オメガ・ヨーロピアンオープン」で優勝し、ライダーカップの欧州チームメンバーとして初出場したスウェーデンのルドビグ・オーバーグ、「全英オープン」で2位タイに入った韓国のキム・ジュヒョン(トム・キム)などの強豪選手たちがいた。

「とても嬉しいし、本当に驚いている。今シーズンはDP ワールドツアーでいい経験を積むことができ、とても楽しかった。『カズー・フランスオープン』での優勝は最高だった。努力を続けた末の素晴らしい結果。とても嬉しいし、日本人としてDPワールドツアーで優勝できたことを誇りに思う。3年前には、日本のQスクールで出場権を得ることができなかったが、2部ツアーに参戦し3勝して日本ツアーの出場権を獲得できた。そして去年ようやくDPワールドツアーの出場権を手にし、今度はPGAツアーの出場権も手に入れた。興奮しているし、とても嬉しい」(久常涼)。

DPワールドツアーCEOのキース・ペリーは「DPワールドツアー1年目に素晴らしいシーズンを送り、サー・ヘンリー・コットン・ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞したリョウを祝福したい。リョウは世界を舞台とするDP ワールドツアーで戦う力強い日本人選手の一員であり、今回、名誉ある受賞者の一人となった。ヨーロッパでも有数の名門コースでの優勝に加え、デビューシーズンで見事な安定感を見せた。21歳でDPワールドツアーとPGA ツアーの出場権を獲得した今、世界中で素晴らしい活躍を見せてくれる可能性を秘めていることは間違いない」と語った。

大会コミッティー委員長のデビッド・ハウエルは「今年は特に素晴らしい候補選手が揃っていたが、リョウはシーズンを通して、この賞を受賞するにふさわしい成績を残した。出場した27大会を通して、世界の舞台で十分通用することを証明し、またツアーでも特に長い歴史を誇り、難コースで開催されたフランスの大会での優勝は、とても強い印象を与えた。若く才能に溢れる彼のさらなる活躍を楽しみにしている」と話した。

サー・ヘンリー・コットン・ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞者

1960年 トミー・グッドウィン(イングランド)
1961年 アレックス・ケイギル(イングランド)
1963年 トニー・ジャクリン(イングランド)
1966年 ロビン・リドル(スコットランド)
1968年 バーナード・ギャラハー(スコットランド)
1969年 ピーター・オーステルハイス(イングランド)
1970年 スチュアート・ブラウン(イングランド)
1971年 デビッド・ルウェリン(ウェールズ)
1972年 サム・トーランス(スコットランド)
1973年 フィリップ・エルソン(イングランド)
1974年 カール・メイソン(イングランド)
1976年 マーク・ジェイムズ(イングランド)
1977年 サー・ニック・ファルド(イングランド)
1978年 サンディ・ライル(スコットランド)
1979年 マイク・ミラー(スコットランド)
1980年 ポール・ホード(イングランド)
1981年 ジェレミー・ベネット(イングランド)
1982年 ゴードン・ブランドJr.(スコットランド)
1983年 グラント・ターナー(イングランド)
1984年 フィリップ・パーキン(ウェールズ)
1985年 ポール・トーマス(ウェールズ)
1986年 ホセ・マリア・オラサバル(スペイン)
1987年 ピーター・ベイカー(イングランド)
1988年 コリン・モンゴメリー(スコットランド)
1989年 ポール・ブロードハースト(イングランド)
1990年 ラッセル・クレイドン(イングランド)
1991年 パーウルリク・ヨハンソン(スウェーデン)
1992年 ジム・ペイン(イングランド)
1993年 ガリー・オー(スコットランド)
1994年 ジョナサン・ロマス(イングランド)
1995年 ヤルモ・サンデリン(スウェーデン)
1996年 トーマス・ビヨーン(デンマーク)
1997年 スコット・ヘンダーソン(スコットランド)
1998年 オリヴィエ・エドモン(フランス)
1999年 セルヒオ・ガルシア(スペイン)
2000年 イアン・ポールター(イングランド)
2001年 ポール・ケーシー(イングランド)
2002年 ニック・ドハティー(イングランド)
2003年 ピーター・ローリー(アイルランド)
2004年 スコット・ドラモンド(スコットランド)
2005年 ゴンサロ・フェルナンデス・カスターニョ(スペイン)
2006年 マーク・ウォーレン(スコットランド)
2007年 マルティン・カイマー(ドイツ)
2008年 パブロ・ララサバル(スペイン)
2009年 クリス・ウッド(イングランド)
2010年 マッテオ・マナッセロ(イタリア)
2011年 トム・ルイス(イングランド)
2012年 リカルド・サントス(ポルトガル)
2013年 ピーター・ユーライン(米国)
2014年 ブルックス・ケプカ(米国)
2015年 アン・ビョンフン(韓国)
2016年 ワン・ジョンフン(韓国)
2017年 ジョン・ラーム(スペイン)
2018年 シュバンカー・シャルマ(インド)
2019年 ロバート・マッキンタイア(スコットランド)
2020年 サミ・バリマキ(フィンランド)
2021年 マティアス・シュミット(ドイツ)
2022年 スリストン・ローレンス(南アフリカ)
2023年 久常涼(日本)

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