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2度目の「マスターズ」プレーオフに
進むも惜敗したジャスティン・ローズ

Text/Eiko Oizumi
Photo/Augusta National Golf Club

最終日、ベストスコアタイの66をマークし、プレーオフに持ち込んだジャスティン・ローズ。

 44歳のジャスティン・ローズは、またしてもプレーオフで「マスターズ」優勝を逃した。2017年、セルヒオ・ガルシアとのプレーオフで敗れたローズに訪れた、2度目の優勝のチャンス。初日に65をマークし、首位発進した彼は、3日目に75とオーバーパーを叩き、順位を落としたものの、最終日には10バーディ、4ボギーの66をマークし、通算11アンダーでホールアウトした。

「今週の自分のゴルフは、ティーショットからグリーン、パッティングに至るまで、キャリアの中でも最高の部類に入ると思う。今朝目覚めた時は、オーガスタの日曜日にプレーすることに感謝し、ベストを尽くそうと思った。ラウンドの中盤で、何かが起こり、まさに夢に描くようなゾーンに入ったんだ。ショットもメンタルも非常に冴えていて、『試合に入り込めている』と実感したよ。完全に集中できていたね」と満足げに語った。

 メジャーでの惜敗は昨年、ザンダー・シャウフェレに敗れた「全英オープン」に続く。2013年「全米オープン」でメジャー初優勝を飾って以来のメジャー2勝目を挙げるチャンスが、44歳のローズにとって少なくなりつつあるのは確かだ。だが、彼のメジャーでの戦歴を見ると、2010年代は38試合中、トップ10入り11回(うち優勝1回)、予選落ち10回に対し、2020年代では19試合中、トップ10入り7回、予選落ち7回と、予選落ちする回数は多いが、トップ10入りの確率が高まっており、昨年から今年にかけては、予選落ち2回の他は、全てトップ10入り(3回)を果たしている。

「ラクではない。キャリアを重ねていく中で、経験が生きてラクになるかなと思っていたが、そういうことは全くなく、むしろこれまで以上に犠牲を払っている感じがする。いつかこんなふうに戦えなくなる日がくるだろう。でも今は、この瞬間のために努力する価値がある。それほどまでに特別な時間なんだ」

 負けたらもちろん、心は痛むが、何に目を向けるかが大事だとローズ。落ち込むよりも、ここまで来られた良い要因に目を向けるべきだと語っている。そして昨年の「全英オープン」と「マスターズ」で優勝争いをしたからこそ、わかったこともあった。「大事な場面になればなるほど、自分は本当に冷静でいられることがわかってきた。それもまた誇りに思う」と言う。プレーオフで2度敗戦すると言うことは、それだけ自分が優勝にいかにあと一歩だったかを思い知らされるもの。プロ仲間からは、「プロ中のプロ」と呼ばれているが、「僕は常に真面目に、正しいやり方でベストを尽くそうとしている。あらゆる可能性を探って、自分の限界まで自分を追い込むことが、“プロフェッショナル”だと思っている」とローズ。これからも「プロフェッショナル」なやり方を貫き、メジャー2勝目を目指す。

最終日は、「マスターズ」チャンピオンのザック・ジョンソンと2サムで戦ったジャスティン・ローズの最終ホール。
プレーオフでは「ライダーカップ」で長年のチームメイトであるローリー・マキロイと激突。マキロイの優勝が決まり、「キミのキャリアグランドスラム達成の瞬間に立ち会えて、本当に良かった」と言葉をかけたという。

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