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「全米プロ」で唯一、日本人で予選通過を果たした久常涼
3アンダーの17位タイで決勝ラウンドに臨む

Text & Photo/Eiko Oizumi

ドライバーショットの後で、手を離す久常。「手が離れているのは、アドレスが決まっていない状態で打ってるからかもしれません」

 出だしの6ホールで3バーディを奪取した久常涼は、その勢いでスコアを伸ばすかと思われたが、その後はボギーを3つ叩き、3バーディ、3ボギーの71でホールアウト。初日と同じ通算3アンダーで、順位を9位タイから17位タイに下げた。日本勢では、松山英樹、中島啓太、金谷拓実が予選落ち。久常は予選通過した唯一の日本人となった。

「最初の立ち上がりは、すごくいいバーディを獲ってスタートし、ずっとリーダーボードには自分の名前があるのを見ていました。そんなにトップもスコアが伸びるようなコースじゃないから、耐えるゴルフがしたかった」

 時折ショットの後に手を離す場面も見られたが、それでもこの難コースをイーブンパーでまとめてきた。しかし本人の中では「いいショットもあるが、風も吹くし、ボールに泥も付くので……。ティーショットで手が離れているのは、アドレスがあまり決まっていないから。これをもう少し修正したいなと思いますが、もどかしい感じで終わっちゃった」ともう少しスコアを伸ばして、週末の優勝争いに向けて順位を上げたいところだった。

 昨年初めて「全米プロ」に出場した久常は、最終日に2サムで一緒に回った松山英樹が35位タイだったのに対し、18位タイという順位で終わった。そして今年も日本勢が軒並み予選落ちを喫する中、1人リーダーボードの上位で戦っている。「全米プロ」を主催するPGA・オブ・アメリカのコースセッティングは、比較的自分にとって相性がいいのではないか、と感じている。

「わからないけど、セッティングは自分向きかなと思うし、自分に有利かな、と。ラフも、まだ(自分に)打てるラフだったり、自分にとってはプレーしやすい要因がいくつかあるような気がする」

 3日目は、悪天候のため、2ティー(1番、10番スタート)&3サムとなり、アレックス・ノーレン、デービス・ライリーとのラウンドに。雨で下が柔らかくなり、比較的止まりやすくなったグリーンで、どれだけバーディが量産できるかに最終日の戦いはかかってくる。

キャディのウィリアム・スペンサーさん曰く「50ヤード以内のショートゲームエリアでは、必ず水を含むのがリョウのルーティーン。気持ちを落ち着かせるという理由と、水分補給の理由から。ちょっとだけしか口に含まないから、ほとんど水量は減っていないよ」という。

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