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ケガから復帰したばかりでメジャー優勝を
果たした蟬川泰果が、欧州ツアー
「BMWインターナショナル」出場へ

Text & Photo/Eiko Oizumi

DPワールドツアー「BMWインターナショナル」への出場権を獲得し、ミュンヘン入りした蟬川泰果。

 今年の3月に左肋骨3本の疲労骨折と診断された蟬川泰果。休養をよぎなくされたが、5月の「中日クラウンズ」で復帰し、復帰4戦目の国内メジャー第2戦「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で優勝。史上最年少でのメジャー3冠を達成し(24歳148日)、優勝副賞としてDPワールドツアー「BMWインターナショナル」への出場権も獲得した。

 そして今週、7月3日〜6日まで、ドイツ・ミュンヘン郊外のゴルフクラブ・ミュンヘン・アイヒェンリードで行なわれる今大会に出場するため、先週末にドイツ入り。30度を超える暑さの中、練習ラウンドを行なった。

「こっちに入る前はすごく不安だった。肋骨を骨折してから、海外遠征は初めてだったので、ケガしないかな、飛行機に乗って、降りた時に痛みが走ったらどうしようと、不安があったんですが、順調に調整もできているし、しっかりプレーできれば、いいスコアで上がれそうな感じもあるので、楽しみ」と語った。

 もともと、7月31日から開幕する「リシャール・ミルチャリティトーナメント」から再び復帰する予定だった蟬川。試合に出るよりも「まずはケガを治すことが一番。治療院に通って、リハビリもして、しっかり治していこうと思って1ヶ月半、予定を開ける予定だった」そうだが、せっかく獲得した出場権を行使しない手はないと、ドイツにやってきた。「BMWツアー選手権」での優勝以降、コーチをしている後輩にスイングの指導をしてもらったそうで、「ヘッドの面を感じるようなスイングに変えていきたいと思って。球をコントロールしようと、体重移動でごまかしていたけど、そういうことをしなくてもいいスイングを教えてもらった。それをやり始めてからの初戦がこの試合なので、すごく楽しみです」と語る。まだ全てのスイング改造が終わっているわけではないが、段階的に今はバックスイングの部分を意識しながらスイングをしているのだそうだ。その結果、スイング自体の力みがだいぶ取れた感覚があるという。

 もともと海外志向の強いタイプの蟬川は、これまで海外試合も推薦で何試合も出してもらい、数々の経験を積んできた。

「今まではプロ転向してそのままPGAツアーに3試合出て、ヨーロッパの試合にも推薦で出してもらった。あまりオフにしっかりトレーニングすることもなかったので、今年はそこをしっかり固めて、試合に挑みたいという気持ちがすごく強い。今すぐに優勝のチャンスができたとしても、たぶんそこはすぐに乗り気にはならないかな。今週、いい結果を残したら、その経験材料を日本に持ち帰りたいし、今後の自分のキャリアとして経験にもしたい。自信をつける1試合にできたら、と思う」と慎重だ。

 初日、2日目でいいスタートが切れたら、乗ってくるタイプだと自己分析しているが、その分析通り、まずは予選通過を果たし、上位に食い込んで優勝争いできることを期待したい。

予選ラウンドでうまくスタートが切れればチャンスがある、と蟬川。

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