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比嘉一貴の初「マスターズ」は予選落ち
「ちょっと準備不足だった」

Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images

予選ラウンドを「マスターズ」チャンピオンのセルヒオ・ガルシア(左)とラウンドした比嘉一貴。第2ラウンド終了後、ガルシアと握手を交わした。

 昨年のJGTO賞金王であり、今年の「マスターズ」へは特別推薦をもらって初出場した比嘉一貴。東北福祉大の先輩でもある松山英樹には、「マスターズ」を迎える前のPGAツアー参戦時や、年末に松山が日本に滞在していた時などにいろいろなアドバイスをもらいながら、臨んだ夢の大舞台だったが、通算6オーバーで3打足りずに予選落ちを喫した。

「出場が決まった時は、楽しみと少しの不安を感じていたんですけど、近づくにつれて不安の方が大きくなっていって、やっぱり会場に入ったら雰囲気にのまれ、いつも通りのルーティーンでやってはいたんですけど、やっぱり肩の力が入ったというか、堂々とできなかったな、と。何か恐る恐るやってたし、不安がかってしまったな、と。もっともっと経験を積んで、堂々と自信を持ってプレーできるようにならないといけない。周りの選手はそうやってプレーしていると思いますし、そういうところから、まだ準備不足だったな、と」

 ショットの調子が決して悪かったわけではない、と比嘉が語るように、ボギーも叩くが、バーディも取っていた。ただ、初日の12番ホール・パー3では、気持ちの迷いが出て、トリプルボギーを叩いた。

「基本的には右からのアゲンストかな、というところで、そんなに迷わず打った。右からのアゲンストに対して、ピンよりも左にターゲットを設定したんですが、左には行きすぎたくない、という意識が反応して警戒してしまい、その迷いが出てしまった。スコアほど状態は悪くないが、アーメンコーナーで洗礼を受けてしまった。12番はテレビで観てる時はそんなに難しくないだろうと思っていたんですけど、まぁ難しいですね」

 優勝したジョン・ラームですら、155ヤードしかない12番のパー3を「ラウンドすればするほど、他のホールは(知識も増えて)やさしくなるが、12番だけはそれが当てはまらない」というように、このホールには「オーガスタの女神」も住んでいるが、「魔物」もいるという難解なホール。風が舞い、ティーグラウンドとグリーン上では風向きが違うことがよくあるだけに、番手選びや、どのような球筋で攻めればいいか、悩むホールでもある。

 大会2日目は、悪天候に見舞われ、2度の中断を挟み、第2ラウンドが終了したのは、土曜日の午前中。雨も降り、寒さも厳しかった予選ラウンドは、飛距離も出ず、グリーンのコンディションもつかみづらいという状況でもあり、初「マスターズ」の比嘉にとっては、試練の時だったに違いない。だが、今後の彼のゴルフ人生においては、大きな糧となった米国滞在3週間でもあった。

「これだけの時間を松山さんと過ごすことはなかなかなかったので、本当に貴重な時間を過ごせましたし、松山さん自身、(自分に)ここに来てほしいというふうに感じたので、早く同じ舞台で、一緒に戦えるように頑張りたいと思うし、松山さんを脅かす存在になりたい」

「もっと精神的にも成長しないといけないし、この1年でたくさん海外を回って、どれだけ経験を積んで、成長できるか。次にここに帰ってきた時に、しっかり堂々とできるきっかけにもなると思いますし、今回は特別招待という、どっちかというとラッキーが大きいような出場になったので、今度は自力で世界ランキング50位以内に入って、しっかり出場資格を取って戻って来れるようにしたい」

 世界ランク85位の比嘉の、次回のメジャー挑戦は5月の「全米プロ」。

「今までよりは自信を持って臨めるかなと思う。今週も小技の面で言えば、

松山さんのアドバイスも生きたんですけど、いいセーブができた場面もたくさんあったし、その辺は自信を持っていいのかな、と。それを武器にマネージメントが組み立てられるように、しっかり頑張りたい」

とリベンジを心に期した。

「次回は自力で戻ってきたい」と心に誓った比嘉一貴(右)。左はキャディの岡本史朗さん。
打ってはいけない場所や、ピン位置の想定など、松山英樹(左)からあらゆるアドバイスをもらった比嘉一貴。「松山さんとこんなに貴重な時間を過ごすことができて、本当に嬉しい」

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