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【PGAツアーレポート】ブレックス・ケプカの復活Vとジョーダン・スピースのスランプ脱出!

復活優勝のブレックス・ケプカとスランプ脱出のジョーダン・スピース

©︎PGA TOUR

2017年~2019年にかけて、メジャーで4勝を挙げているブルックス・ケプカ。

 

©︎PGA TOUR

ケプカが2年ぶりに優勝したWM(ウェイストマネージメント)フェニックスオープンのティーマーク。WMは清掃関係の会社で、そのシンボルともいえる清掃車を象ったティーマークがユニーク。

 

メジャー男&神童の復活!?
2021年、眠れる獅子が目を覚ます!?
BIGネーム復活の予感

©︎PGA TOUR

2017年「全英オープン」以降、未勝利のジョーダン・スピース。2015年にはメジャー2勝を挙げ、フェデックスカップチャンピオンにも輝いた。

 

2020年にはフェデックスカップランクで100位以下だった2人の復活

今年の明るい話題といえば、「WMフェニックスオープン」で久しぶりにブルックス・ケプカが優勝し、ジョーダン・スピースも優勝争いに加わるようになったことが挙げられるだろう。

かつてはメジャー優勝候補の筆頭格に挙げられていた強豪2人が、ツアーの表舞台から姿を消し、試合に出ては予選落ち、という苦しい時期を過ごしていたここ数年。

スピースは2017年「全英オープン」以来、スランプに陥り優勝から見放されていた。
コーチのキャメロン・マコーミックと日々、スイング作りに取り組んでいたスピースだが、ショットの正確性に欠き、得意のパットも入らなくなった。

パーオン率も落ち、自信も喪失。2015年には「マスターズ」と「全米オープン」でメジャー2連勝し、フェデックスカップ最終戦「ツアー選手権」で優勝してフェデックスカップの総合優勝を果たした神童も、最近は予選落ちが続き、「ライダーカップ」や「プレジデンツカップ」など、エリートのみが出場できる大会にも出場できなかったほどである。

一方、ブルックス・ケプカは一昨年左ヒザのケガを負ってからというもの、思うようなスイングができずにメジャーどころか、通常の平場の試合ですら上位に食い込むことがなくなっていた。
優勝した時のコメントでも「ここ1年半くらい、暗闇の中にいるようだった。
何度も涙を流したし、自問した。精神的な闇の中にいたんだ。だからこうして結果を出すことができて、本当に嬉しい」と語っている。

そんな彼らがようやく目を覚まし始めた。

ケプカは3か月ほどトレーナーとみっちりトレーニングを積み、ヒザの痛みも感じることなくプレーできるようになったことで、自分のゴルフを取り戻した。

また、スピースも100%復調とは言い難いが、少しずつ自信を取り戻しつつあるようで「フェニックスオープン」の3日目には61という好スコアをマーク。
過度な期待に押しつぶされることなく、自分のやっていることを信じ、すぐに結果を求めずに我慢強くやり続けることが大事だ、と言う。

彼らには過去、メジャーなどで優勝争いし、タイトルをものにした経験と実績がある。
ケガやスランプに悩んでいた彼らに、大舞台でスポットライトが当たる日も近そうだ。

 

アメリカン・エキスプレス
1月21日~24日

優勝 キム・シウー

©︎PGA TOUR

2017年、第5のメジャーと呼ばれる「プレーヤーズ選手権」以来、ツアー3勝目を挙げたキム・シウー。
自分を信じ、我慢強くチャンスを待って落ち着いたプレーをした結果、優勝を手繰り寄せることができた。

「何度も優勝争いをしてきたが、勝てなかった。でもやっとこうして優勝できて嬉しい。今年はあと1勝はして、(最終戦の)ツアー選手権に出場したいですね」

遠い将来の大きな目標よりも、着実に目の前の目標をクリアしようとしているのが彼らしい。

 

ファーマーズインシュランスオープン
1月28日~31日

優勝 パトリック・リード

©︎PGA TOUR

昨年9月の「全米オープン」直後に世界的に有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターの元を訪れ、3日間に渡ってスイングの指導を受けたというパトリック・リードが、ツアー9勝目を挙げた。

「今回の優勝は格別。大々的にスイング改造を行なった後だからね。今まで打ったことのなかったようなショットが打てるようになってきた」

失敗したり、困難な状況に陥っても、なんとか解決する方向に持っていこうとする彼の精神力もまた大きな武器だ。

 

WMフェニックスオープン
2月4日~7日

優勝 ブルックス・ケプカ

©︎PGA TOUR

2019年「WGCフェデックス・セントジュード・インビテーショナル」以来、ツアー8勝目を挙げたケプカ。
勝利数の半数がメジャー優勝という、「メジャーに強い男」として知られ、世界ランク1位にものぼり詰めた彼だが、一昨年に左ヒザにケガを負い、大スランプに陥っていた。

「本当に暗闇の中を歩いているようだった。でも、トレーナーのデレクと3ヶ月ほど一生懸命取り組んだおかげで、なんとかその暗闇から脱出できた。またこうして優勝できてすごく嬉しいし、幸せだ」

 

AT&Tペブルビーチプロアマ
2月11日~14日

優勝 ダニエル・バーガー

©︎PGA TOUR

昨年、コロナでツアーが中断後初の大会「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」で優勝したダニエル・バーガーが、観客もアマチュアプレーヤーも不在の今大会で逆転優勝。
ツアー4勝目を挙げた。「(最終日の)18番ホールは、今までの人生の中でベストフィニッシングホールの一つだった。

特に2打目の3Wでのショットは人生で最高!さらに(イーグル)パットが決まってくれて、嬉しかったよ」手首のケガに悩まされた彼だが、現在は痛みもなくなった。

現在、J・スピースのコーチに指導を受けているという。

 

ジェネシス招待
2月18日~21日

優勝 マックス・ホーマ

©︎PGA TOUR

トニー・フィナウとのプレーオフの末、2年ぶりにツアー2勝目を挙げたマックス・ホーマ。
彼は開催コースのリビエラCCから車で25マイルのところに実家があり、2歳の頃から父親に連れられてこの試合を観にきていた選手なだけに、優勝の喜びもひとしお。

「子供の頃からこの試合で勝つことが夢だった。リビエラCCは世界で最高のゴルフ場だと思っている。それに憧れのタイガー・ウッズから優勝トロフィを授与されるんだから、これ以上に最高なことはない。僕の小さい頃からの夢が叶ったよ」

 

WGCワークデイ選手権
2月25日~2月28日

優勝コリン・モリカワ

©︎PGA TOUR

2019年にプロ転向し、今年で3年目を迎えるモリカワが、昨年の「全米プロ」に続き、優勝賞金約2億円のビッグタイトル「WGCワークデイ選手権」でWGC初タイトルを獲得。
ツアー4勝目を飾った。

「しばらく優勝争いから遠ざかっていたけど、こうしてまた優勝できて嬉しい」

大会前に地元ラスベガスでマーク・オメーラにパッティングのグリップについてアドバイスを受け、今大会の開催コースのメンバーのポール・エイジンガーにアプローチ(バミューダ芝でのバンスの使い方)を習ったという。

 

2022年「プレジデンツカップ」
米国主将はデービス・ラブⅢ

©︎PGA TOUR

過去6回、「プレジデンツカップ」に出場したことがあるデービス・ラブⅢが、2022年、米国選抜チームのキャプテンに選ばれた。

「米国キャプテンに指名して頂いて光栄。この大会には1994年から出場しているが、大会や仲間、スポーツマンシップなど忘れられない思い出がいっぱい。カップを再び持ち帰れるよう、そしてそのレガシーを引き継げるよう頑張る」

ラブは過去3回、同大会の副キャプテンを務めたことがあり、経験も豊富。アメリカ人選手の中でも模範的な選手であり、リーダーシップがあると期待されている。

 

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/PGA TOUR、Stan Badz

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