• 国境や人種を超えたスポーツの力とゴルフの愉しさをすべての人に。
  1. ホーム >
  2. トーナメントレポート >
  3. ライダーカップPhotoレポート

ライダーカップPhotoレポート

テレビのゴルフ中継だけではわからない、現場で拾ったおもしろナマ情報を皆さんにお届け!

なんでチーズのかぶりもの?

パッカーズのチーズヘッドをかぶり、記念撮影する欧州選抜メンバー。左からシェーン・ローリー、ティレル・ハットン、パドレイグ・ハリントン主将、ジョン・ラーム、セルヒオ・ガルシア。©Getty

 今回「ライダーカップ」が開催されたのはウィスコンシン州。チーズの産地として有名な場所だ。NFLのチームの中で3番目に古いチームとして人気のある、ウィスコンシン州グリーンベイに本拠地を置く「グリーンベイ・パッカーズ」のお膝元でもあり、パッカーズファンはチーズヘッドと呼ばれる帽子をかぶって応援する。これは穴あきチーズをスカスカの脳味噌に見立てて、「フットボール狂」であることをアピールしているという。

 そんな土地柄を理解した上で、少しでもアウェーの地で応援を増やそうと欧州選抜は練習日に、黄色と緑のパッカーズカラーのウェアを着用。チーズヘッドをかぶり、観客にそれをプレゼントするというアイデアを思いついた。「郷に入っては郷に従え」作戦で欧州ファンを獲得しようという努力は見られたものの、今年はやはり難しかったようだ。

メディアセンター内で、チーズヘッドをかぶって真面目に仕事している人も……(笑)。周囲もまったく気にしていないのがおもしろい。©Eiko Oizumi
観客の中には、チーズヘッドの帽子をかぶって声援を送る、パッカーズファンの子供や大人もかなり見られた。©Getty

スペインのニューレガシー

今年の欧州選抜はポイント獲得に苦戦したが、それでもスペインの2人で3戦3勝。世界ランク1位のジョン・ラーム(左)とケリー夫人、「ライダーカップ」10回出場のセルヒオ・ガルシア(右)とアンジェラ夫人。©Eiko Oizumi

「ライダーカップ」欧州選抜の歴史は、セベ・バレステロスとホセ・マリア・オラサバルのスペイン人コンビ抜きには語れない。2人が組んだ時にマークした11勝2敗2引き分けという戦績は、今も団体戦の記録である。そして今年、ジョン・ラームとセルヒオ・ガルシアのスペイン人コンビは3マッチでペアを組み、3戦3勝と負けなしを誇った。
「セベとオリーのプレーを観て育ったが、そのレガシーは大事だ。僕とセルヒオも、彼らの偉大な記録に追いつくように、勝ち星を重ねていければいい」(J・ラーム)
 偉大なスペインの先輩たちのレガシーを、この2人が受け継いでいく。

ミシガン湖から無料でクルーズ観戦

女体や虎のマネキンを載せて観戦している謎のギャラリーも……。湖上にはタダ見客だけでなく、警察の船も浮かんでおり、パトロールしていた。©Eiko Oizumi

ゴルフの試合が海沿い、あるいは湖沿いで行なわれていると、船をコース沿岸付近に浮かべてタダ見するギャラリーがいるものだが、今回の「ライダーカップ」はミシガン湖に面したコースで開催され、湖上には大小のクルーザーやヨット、ボート、カヌーなどが浮かんでいた。まず、日本ではこのような光景は見られないだろう。

欧州選抜メンバーの特製時計

オーデマピゲアンバサダーのH・ステンソンは、今回副キャプテンを務めた。©Eiko Oizumi
青と黄色の欧州選抜チームカラーがあしらわれている。©Eiko Oizumi

青と黄色の欧州選抜チームカラーがあしらわれた時計を、副キャプテンのヘンリク・ステンソンがしているのを見て、思わず見せてもらった! 文字盤にはAP(オーデマ・ピゲ)と書かれていたが、これはステンソンやウエストウッド、ホブランなど、APのアンバサダーだけに配布された時計のようだ。

カトリオナ・マシューも「ライダーカップ」を観戦

「ライダーカップ」欧州選抜主将のパドレイグ・ハリントン(左)と「ソルハイムカップ」欧州選抜主将のカトリオナ・マシュー。©Getty

女性版「ライダーカップ」である「ソルハイムカップ」は、欧州選抜の優勝で幕を閉じたが、そのキャプテンを務めていたのがスコットランドのカトリオナ・マシュー。「ライダーカップ」に招かれ、欧州選抜の応援に興じていた。彼女は過去2回、キャプテンを務め、これまで全勝している。

欧州はマイナンバー制度?!

欧州選抜の出場選手のキャディバッグには、それぞれの会員番号が刺繍されていた。今年のメンバーで最も古い番号は、L・ウエストウッドの118番。©PGA of America

今回の「ライダーカップ」でわかったことがある。それは、欧州選抜のメンバーとして出場した人は、古い順に1番から番号が割り当てられており、今年初出場した最後の番号が、ブレント・ウィースバーガーの164番(現時点ではこの番号まで)ということだ。つまり1927年から始まった「ライダーカップ」の約100年の歴史の中で、欧州のメンバーは164人しかいないということ。非常に限られた人しか出場できない、狭き門であることがわかる。

ホブランは欧州の希望の光

24歳のビクトル・ホブラン(中央)は、今年「ライダーカップ」で初出場を飾った欧州選抜の最年少選手。5戦全部で戦い、0勝3敗2引き分けで1ポイントを獲得した。©PGA of America

2019年にプロ転向し、既に米ツアーで2勝を挙げている初出場のビクトル・ホブラン。ベテラン勢の多い欧州チームで、一緒にペアを組みたいと人気が高かった選手だ。勝ち星は挙げられなかったものの、シングルスでは同級生のコリン・モリカワと引き分けるなど、随所に素晴らしいプレーを見せた。次回大会で、米国選抜のようにチームの若返りを図るとすれば、ラームの他、ホブランやロバート・マッキンタイヤなどがメンバー入りを果たすことが必須だろう。

ギャラリー大図鑑

「ライダーカップ」になると、アメリカやヨーロッパ各国の国旗をあしらったコスチュームで観戦を楽しむギャラリーが場内を埋め尽くす。今年はコロナの影響で米国の観戦者ばかりだったが、個性的なギャラリーを発見!

アメリカンイーグルのかぶり物が超目立つ4人組。ちょっと暑そうですけどね~(苦笑)。©PGA of America
数少ない欧州選抜の応援団(黄色と青のコスチューム)と、米国応援団の交流も楽しそう。©Eiko Oizumi
おそらく米国選抜に雇われていたと思われる、米国応援団。1番ティーのスタンドでは大声でUSAコールし、応援歌を歌うなどして、米国選抜の盛り上げ役として場内を仕切っていた。©Eiko Oizumi
欧州選抜のキャプテン、P・ハリントンと同様、アイルランド出身のギャラリー。クローバー(シャムロック)がアイルランドの国花で、幸せの象徴。©Eiko Oizumi

これぞ“The America”なおしゃれなシューズの持ち主は?

いかにも「アメリカ!」といった絵柄が描かれているカスタムシューズ。アメリカ人じゃなくても欲しくなる?! ©Eiko Oizumi

星条旗や自由の女神、国鳥のワシが描かれたおしゃれなシューズは、ジャスティン・トーマス専用のフットジョイのシューズ。残念ながら発売はしていないようだ。

Text/Eiko Oizumi

関連する記事