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【ISPS NEWS】世界初のオーストラリアで男女ナショナルオープン開催!同週に男女・障害者の王者が誕生

2022年12月1日〜4日/ビクトリアGC &キングストンヒースGC(オーストラリア)
ISPS HANDAオーストラリアンオープン

世界初の男女ナショナルオープン開催!

1大会で3人のチャンピオン誕生
男子・女子・障害者の同週決戦!

©Eiko Oizumi

オーストラリアン・オールアビリティ選手権 優勝
キップ・ポパート (イングランド)
1998年7月6日生まれ。DPワールドツアーで開催されている障害者ゴルフ大会「G4Dツアーシリーズ」で昨季4勝を挙げ、世界障害者ゴルフランキング1位。写真左

ISPS HANDAオーストラリアンオープン 優勝
エイドリアン・メロンク (ポーランド)
1993年5月31日生まれ。197cm、90kg。昨年DPワールドツアー「ホライゾン・アイルランドオープン」でポーランド人初のツアー優勝を遂げ、「オーストラリアンオープン」でツアー2勝目。昨シーズンのDP ワールドツアー8位。写真中央

ISPS HANDAオーストラリアン女子オープン 優勝
アシュリー・ブハイ (南アフリカ)
1989年5月11日生まれ。アマチュア時代からプロの試合で4勝し、2007年に鳴り物入りでプロ転向。昨年、「AIG女子オープン(全英女子オープン)」でメジャー初優勝を遂げた。2016年「リオ五輪」出場。写真右

これまでもISPSは、北アイルランドやオーストラリアで男女共催トーナメントを開催してきたが、今回は男女同週で行なわれるナショナルオープン(メジャー)が開かれた。
しかも障害者ゴルフを長年サポートしてきたISPSならではの障害者大会も同時開催! 世界に今後のトーナメントの在り方や理想を示した。

キャメロン・スミス、アダム・スコットらが参戦し大いに盛り上がった豪州ゴルフ界

©Eiko Oizumi

世界障害者ゴルフランキングで1位のキップ・ポパート。今大会でも優勝し、昨年は通算5勝を飾った。

©Eiko Oizumi

昨年「全英女子オープン」でメジャー初優勝を飾ったアシュリー・ブハイ。今大会では申ジエやハナ・グリーンらメジャーチャンピオンとしのぎを削り、優勝。

©GOLF Australia

ポーランド人で、DPワールドツアーを主戦場とするエイドリアン・メロンクも参戦。通算14アンダーで優勝を果たした。

©Eiko Oizumi

オーストラリアのスーパースター、アダム・スコットも参戦。優勝争いに加わったが、惜しくも2位に終わった。

ポーランド、南ア、英国という国際色豊かなチャンピオンの顔ぶれ

オーストラリア・メルボルン郊外に広がる「サンドベルト」地域。
ゴルフ通なら一度はプレーしたい名門コースばかりが広がるエリアだが、昨年の12月にビクトリアGCとキングストンヒースGCの2コースを使用し、「ISPS HANDAオーストラリアンオープン」が開催された。

ISPSは過去にも豪州で「VICオープン」、北アイルランドで「ワールド招待」という、男女同週開催・賞金同額の男女平等トーナメントを開催してきたが、今回は男女のナショナルオープン(メジャー)を同時に開催するという、世界のゴルフ史を見ても類のない、歴史的な出来事が起こったのである。
トーナメント開催には費用が相当かかるものだが、男女メジャーを同じ週に開催することによって、2大会別々に開催するよりも経費を抑えることができ、集客数も上がり、観戦者の満足度も上がるという、いいことづくめの模範例を世界に示すことができたといえよう。

その上、障害者ゴルフ大会も併催。障害者ゴルファーを長年にわたって支援して来たISPSならではの、ユニークで社会貢献的に意義のある大会を男女メジャー開催地で同時に行なったのだ。

そんな歴史的な大会で優勝したのは男子の部が昨年のDPワールドツアーランキング8位のエイドリアン・メロンク(ポーランド)。
女子の部が「全英女子オープン」チャンピオンのアシュリー・ブハイ(南アフリカ)。
G4Dツアー(障害者ゴルフツアー)で4勝を挙げている、世界障害者ランク1位のキップ・ポパート(英国)だ。
ポーランド人、南ア人が「オーストラリアンオープン」で優勝したのは初めて。
初めてづくしの大会となったが、今大会には現在世界で活躍している豪州勢や、カリー・ウェブなどのレジェンドもこぞって参戦。
豪州のゴルフファンにとってはたまらないクリスマスプレゼントとなった。

世界ランク3位が予選落ち
出場選手層の厚さと大会のレベルの高さ

世界ランク3位で、「全英オープン」チャンピオンであり、LIVゴルファーのキャメロン・スミスや、PGAツアーで戦う、「マスターズ」チャンピオンのアダム・スコット。
「全米女子オープン」チャンピオンのミンジー・リーや弟でDPワールドツアーで活躍中のミンウー・リー。
「全米女子プロ」チャンピオンのハナ・グリーンなど、オーストラリアのスターたちがそれぞれの主戦場での戦いのあとに豪州に帰国して参戦し、大会を大いに盛り上げた。

前週の「オーストラリアPGA」で優勝し、昨年は通算5勝を挙げたキャメロン・スミスは大会前に、「この大会は、ゴルフの発展にとってとてもいい。ギャラリーたちも大勢集まるし、いい1週間になるだろう」と語っていたが、2011年のグレッグ・チャルマー以来の2週連続豪州メジャータイトルの獲得とはならず、予選落ちに終わっている。

男子の部 最終成績

優勝エイドリアン・メロンク-14
2位アダム・スコット-9
3位ミンウー・リー−8
4位アレハンドロ・カニザレス、ハイドン・バロン-7
6位ジョシュ・ギアリー-6
7位アンドリュー・マーティン、マシュー・ミラー、コナー・パーセル-5
10位トム・ルイス、ジェイソン・ノリス、ハイデン・ホープウェル、ルーカス・ハーバート、デビッド・ミケルッツィ、ピエール・ピニュー、ニコライ・ホイガード-4
24位金谷拓実-1
31位久常 涼+1

女子の部 最終成績

優勝アシュリー・ブハイ-12
2位申ジエ-11
3位ハナ・グリーン-10
4位グレース・キム-9
5位ミンジー・リー-8
6位ジェニー・シン-7
7位リュウ・ソヨン-6
8位ステファニー・キリアコウ、マリーナ・アレックス-5
10位フィオナ・シュー(アマ)-3
11位ジェニファー・カプチョ 吉田優利-1
22位小堀桃花、ローラー・デービス+5
26位カリー・ウェブ+8
予選落ち杉原彩花 高田優妃(アマ)、上田澪空(アマ)

障害者の部 最終成績

優勝キップ・ポパート-2
2位カーティス・バークレー+5
3位ホアン・ポスティーゴ+6
4位ブレンダン・ローラー、マイク・ブラウン+13
6位ヨハン・カマースタッド+16
7位ジェフ・ニコラス+20
8位キャメロン・ポラード+21
9位トマソ・ペリーニョ+22
10位ステファン・プリオー+34
11位マイク・ロールズ+46
12位メッテ・ウェッジ・リンガード+64

O嬢レポートin メルボルン

夏のオーストラリアで開催されたISPSイベントを現地で取材!
現地でないとわからない情報をご紹介します。

「お互い、いい1年だった」
ミンジー・リー&ミンウー・リー

©Eiko Oizumi

姉弟そろってISPSアンバサダーの、ミンジー(姉)&ミンウー(弟)コンビ。

©GOLF Australia

昨年の「全米女子オープン」で優勝したミンジーが、豪州に凱旋帰国。豪州のゴルフファンに優勝カップをお披露目した。

©GOLF Australia

今大会で上位3名(有資格者は除く)に与えられる今年の「全英オープン」出場権を手にしたミンウー。右はガールフレンドのグレーシー・ドレナンさん。

大会前の記者会見には姉弟そろって参加したミンジー・リー&ミンウー・リー。
ミンジーは米国女子ツアー(LPGA)、ミンウーは欧州ツアー(DPワールドツアー)を主戦場としているので、なかなか2人が会うことはないそうだが、男女共催の今大会に参戦し、久しぶりに姉弟が顔を合わせ、両親も応援に駆けつけて家族の時間を過ごしたそうだ。

「オーストラリアにこうして戻って来て、ミンウーと会えるのは私にとって特別で最高! 練習日にはミンウー、スコッティ(アダム・スコット)とハイデン(ホープウェル)と一緒にラウンドできて本当に楽しかったわ。ミンウーはしばらく一緒にゴルフしないうちにすごく成長したわね」(ミンジー)

「2人が揃って優勝トロフィーを獲得できれば最高だけど、そうでなくてもただエンジョイできればそれでいい」(ミンウー)

ミンジーは5位、ミンウーは3位と両者揃ってトップ5に入り、ミンウーは「全英オープン」出場権も手に入れた。

コンビ復活
アダム&スティーブ

©Eiko Oizumi

2017年末にスコットと袂を分かち、キャディを引退したスティーブ・ウィリアムズ(59歳)とコンビ再結成。

アダム・スコットの2013年「マスターズ」優勝を後押しした、キャディのスティーブ・ウィリアムズ。
彼は長年にわたり、グレッグ・ノーマン、レイモンド・フロイド、タイガー・ウッズなど世界の強豪のバッグを担いできたカリスマキャディだが、42歳のスコットが今年メジャー2勝目を狙うため、再びスティーブがバッグを担ぐことになった。
なお、これまでバッグを担いできたグレッグ・ハーモンとともに、スコットをサポートする。

今大会では優勝争いに食い込み2位に。早速スティーブ効果が出ているようだ「またスティーブと一緒に組み、勝利の魔法を再発見できるかどうか楽しみだよ」とスコットは今シーズンを楽しみにしている。

「全英オープン」チャンピオンのキャメロン・スミス「1週間しかもたない」

©Eiko Oizumi

大会前のプロアマで障害者ゴルファー(ブレンダン・ローラー、ホアン・ポスティーゴ)と一緒にラウンドしたキャメロン・スミス(左)。

前週、ブリスベンで行なわれていた「オーストラリアPGA」で優勝したスミス。
昨年「全英オープン」でメジャー初制覇し、その後「LIVゴルフ」に移籍したため、プレーする場が限られているが、「ISPS HANDAオーストラリアンオープン」にも参戦し、メルボルンのゴルフファンの前でもプレーを披露。
だが予選落ちを喫した。

「サンドベルトでプレーするのは嬉しいんだ。世界中いろんなところでプレーしたけど、今まで当たり前に思っていたサンドベルトのコースの良さが、改めてよくわかる。いいショットもたくさん打てたが、うまくいかなかったね。たいてい僕は2週間試合があると1週目はいい成績が出るけど、2週目はイマイチなんだ」

「お会いできて光栄です」
久常 涼

©Eiko Oizumi

練習日に遭遇した、久常(右)と申ジエ。

通常、国内男女のツアーを転戦していると、年末の「3ツアーズ」くらいでしか、男女プロが顔を合わせることはない。
だが、今大会には今シーズンからDPワールドツアーメンバーとして活躍している久常涼と、「全英女子オープン」チャンピオンで日本を主戦場とする申ジエが偶然練習日に顔を合わせるチャンスに恵まれた。
「初めまして、お会いできて光栄です」と長年にわたって海外でも活躍して来た申ジエに、敬意を持って挨拶した久常。
彼もいつか彼女のように、メジャーチャンピオンになることを夢見ている。

「成長できた1年」
吉田優利

©Eiko Oizumi

通算1アンダーの11位タイで終了した吉田優利。

JLPGAの最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を4位タイで終え、渡豪した吉田。
連日アンダーパーをマークし、トップ10圏内でプレーしていたが、最終日にスコアを落とし、11位タイで終了。
「すごく戦略的にプレーしなければいけないところもあったが、今日(最終日)のトリプルボギーくらいで、3日間アンダーパーで回れてよかった。ゴルフのレベルが上がった1年だったと思うので、来年に向けていい準備をしたい」と語った。

「僕よりうまい人は山ほどいる。もっと強くなりたい」
岡田晃平(アマ)

©Eiko Oizumi

日本のナショナルチームメンバーの岡田晃平(右)と上田澪空も参戦。上田は第1予選、岡田は第2予選でともに脱落した。

日本のナショナルチームの男女メンバーも参戦した今大会で、予選カット30人から惜しくも漏れた岡田晃平に話を聞いた。
彼は昨年の「日本アマ」で優勝し、「日本オープン」でも28位タイに入る腕前。
「僕よりもうまい人はたくさんいるので、金谷(拓実)先輩や蝉川(泰果)先輩といった、いいプレーヤーを見習って、もっと強くなりたいですね。この大会はワイドな考え方だなと思ったんですけど、障害者のゴルフの試合ってなかなかやっているところも少ないので、僕も東北福祉大に通ってますし、こういう広い目線で大会を主催しているスポンサーさんはすごいと思いました」。
今月には「ソニーオープン」にも出場し、今年、プロテストを受験する予定の岡田。今後の彼の活躍に注目だ。

「一時期よりは良くなっている」
金谷拓実

©Eiko Oizumi

通算1アンダーの24位タイで終了した金谷拓実。

2020年に鳴り物入りでプロ転向し、同年の「ダンロップフェニックス」でプロ初優勝を飾った金谷。
賞金ランキングで2位につけ、プロ転向後の活躍が期待されているが、昨シーズンは未勝利に終わった。
今季はDPワールドツアーにフルシードではないが、スポット参戦する予定だ。
DPワールドツアーとの共催の今大会では通算1アンダーで24位タイに入賞。
「一時期よりは徐々に良くなってきている。ヨーロッパも出られない試合もあり、限定的ですが、2月のアジアの試合くらいから出られたらいい。それまではいいプレーができるよう、準備をしたい」と語った。

男女同コース・同時開催のISPS HANDA オーストラリアンオープン

「とてもスマートなやり方だと思う」
アダム・スコット

©Eiko Oizumi

男女の試合を一緒にやるというのは、オーストラリア(以下豪州)のゴルフ界にとっていい考えだと思う。
何試合もやるには経費がその分かかるけど、3試合をやるのではなく、1試合で3大会やった方が、経費も抑えられるし、とても賢いやり方だよね。
そして障害者ゴルフ、女子ゴルフにとっても、より良い地位に押し上げることができる。
世界のゴルフ界にとってもいいことだと思う。

また、LIVゴルファーがいるのも欧州ツアーと共催だから。
今はいろんなことが変わっているから、将来どうなるかわからないけど、このイベントがうまくいって、豪州以外のツアーからもこのイベントの良さがわかってもらえればいいと思う。
ISPSは豪州のゴルフをとても支援してくれてるし、とても大事。
豪州ではグローバルなレベルで競技を行なうのは実際難しいが、ISPSがサポートしてくれることで、男女ナショナルオープンの開催を可能にしてくれている。
男女のオープンはそれぞれ歴史と伝統がある。
でも大きなメジャーをそれぞれやるのは、経費がかかるし難しい。
現実主義的なものの見方をしたとしても、このやり方はいいよね。
しかも障害者ゴルフも一緒にやるのはISPSらしい。
自分たちが出る試合は、祝福したいと思うし、楽しみたいと思ってるよ。

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Golf Australia

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