国際スポーツ振興協会・会長
半田晴久
2024年の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」は、静岡県御殿場市の太平洋クラブ・御殿場コースで開催決定。11月に行なわれる「三井住友VISA太平洋マスターズ」の開催でおなじみの、富士山の裾野に広がる有名コースだ。
今年の大会では豪州のルーカス・ハーバート(ISPSアンバサダー・中央)が優勝。左はISPS半田晴久会長、右はJGTO青木功会長。
前号では、DPワールドツアー日本初開催である「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」(2023年4月・PGM石岡GC)での、今後に向けての様々な問題点や、その反省点を踏まえての、改善点を指摘しました。
日本の男子ツアーは、重大な岐路に立たされています。
その大きな問題点の一つに、「開催コースの選定」があると思っています。
コースは、プロゴルファーにとって、いわばパフォーマンスを最大限に見せる“舞台”。
私もオペラや、コンサート、演劇をやる関係で、舞台の重要性は誰よりも良く知っているつもりです。
一流の劇場は雰囲気や、出演者の実力、情熱を引き出す工夫を凝らしています。
これは出演者や、演出家、照明にいたるまで、すべてに言えます。
そうした舞台は、観劇するお客様にも伝わり、舞台全体が一つになり、最高の盛り上がりを見せます。
ゴルフでは、「コースが人を育てる」という言葉があります。
これは、まさしく前述のオペラやコンサート、演劇の舞台と相通じるものがあるでしょう。
今年の「欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」の舞台、PGM石岡GCは、“帝王”ジャック・ニクラス渾身の設計コースです。
まさに、欧州と日本のプロが激突するのに、ふさわしい名舞台でした。
石川遼選手は、「今大会は勝負どころのインコースで、DPワールドツアーがピンポジションを設定しました。これまで、この石岡コースでの大会では、どこからでも寄せられるという自信がありました。しかし、さすがに、世界のDPワールドツアーの設定では、ここからでは絶対に寄らないところが、毎ホールあった。設計者の意図をきちんととらえている点では、さすがだと思いました」と語っていました。
私は、それを聞いて、この大会を開いて、本当に良かったと思いました。
今年は、女子ツアー最高峰のメジャー、「全米女子オープン」が、「ペブルビーチGL」で開催され、男子の「全英オープン」は、イングランドのリンクスコース「ロイヤル・リバプールGC」で行なわれました。
どちらも難しく、素晴らしいコースで、選手の実力を最大限に引き出しました。
一流の大会は、一流のコースで行なわれますが、それは当然のことです。
前置きが長くなりましたが、来年の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」も、国際大会にふさわしい、一流の舞台を用意することができました。
日本が誇る、あの「太平洋クラブ・御殿場コース」(静岡県)で開催します。
同コースは、「太平洋マスターズ」を1977年から開催し、これまでセベ・バレステロス、ホセ・マリア・オラサバル、グレッグ・ノーマンら、世界のトップスターが優勝。
英国のリー・ウエストウッドは、1996年から、3連覇の偉業を達成しています。
また、2001年には「ワールドカップ」が開催され、タイガー・ウッズが出場して、日本のゴルフファンを熱狂させました。
そんな名コースで、日欧共催大会を開催できることは、本当に喜ばしいこと。
これを機に、男子ツアーが復興することを願っています。
Photo/ISPS,Taiheiyo Club