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【世界のゴルフ通信】From USA タイガーがついに動いた! PGAツアー&サウジの統合とタイガー・ウッズの決断

PGAツアー&サウジの統合とタイガー・ウッズの決断

©Getty Images

PGAツアーのコミッショナー、ジェイ・モナハン氏(左)とタイガー・ウッズ。写真は2018年のフェデックスカップ最終戦「ツアー選手権」でタイガーが優勝した際のもの。

PGAツアーの決定後、タイガー・ウッズが自ら政策委員会メンバーに

タイガー・ウッズがPGAツアーの政策委員会に加わることになった。
これは、この夏に発生した驚くべき出来事の一つであり、PGAツアー、DPワールドツアー(欧州ツアー)、LIVゴルフを支援するサウジアラビアの公共投資基金(PIF)との間で秘密裏に行なわれた取引がきっかけとなっている。

PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン氏と2人の理事、PIFとの間で秘密裏に行なわれた交渉に対して、PGAツアーの選手たちは不満を抱いており、タイガーもそのうちの1人である。
この取引の「枠組み」に関する合意は6月6日に発表されたが、タイガーは発表後の2か月間、沈黙を通していた。
だが、7月末になって選手たちのグループの一員として、モナハン氏宛てに手紙を送り、政策委員会への参加とツアーの運営に対する透明性の改善を要求したのだった。

これに対してすぐに了解が得られた彼は、次のように声明で述べている。

「PGAツアーの選手を代表できることを光栄に思っている。今はツアーにとって重要な時であり、選手たちはファン、スポンサー、選手を含むすべてのツアー関係者の利益にかなったツアーの運営の変更が行なわれるよう最善を尽くしていく。選手たちは、モナハン・コミッショナーが私たちの懸念に対処することに同意してくれたことに感謝するとともに、彼と一緒に我々が皆、愛するゴルフの未来に適切な決定を下すことを楽しみにしている。これらの一連の変更について、私は信頼を寄せている」

選手たちがPGAツアー側にリクエストした内容は?

ツアーは「選手のリーダーたちが一致団結してツアーの核心原則を支持し、特定の措置が即座に講じられるよう求めてきた」と語った。
モナハン氏はそれらの要請に同意したが、その要請には以下が含まれる。

• 政策委員会の統治文書の改訂により、プレーヤーディレクターは将来の重要な意思決定に関与し、承認する必要がある。
• プレーヤーディレクターの特別顧問であるコリン・ネヴィル氏は、枠組み協定の交渉全てに関与し、文書や情報への完全なアクセス権を持つ。
• プレーヤーディレクターは、枠組み協定の議論の一環としてツアーに対し、任意の変更を全面的に透明化させ、承認または拒否する権限を持つ。

これらのすべての要求は、PGAツアーの幹部であるロン・プライス氏と理事のジミー・ダン氏が、PIFおよびその代表者であるヤシル・アル・ルマイヤン氏との提案された取引について証言した米国上院での公聴会の数週間後に行なわれた。

続々と判明した両者の交渉内容

公聴会で明らかにされた情報の中には、PIFがタイガー・ウッズとローリー・マキロイにLIVゴルフリーグのフランチャイズ(チーム)を提供し、彼らをLIVゴルフの試合に出場させるという提案も含まれていた。
これは両者の間で「ベストケースシナリオ」として出されたいくつかのアイデアの一つであり、ワシントンDCで行なわれた上院の副委員会での7月11日の公聴会で公開された文書の一部だった。
だが、PGAツアーはこの提案を交渉の一環として拒否している。公聴会では、外国の組織のアメリカのスポーツリーグへの関与や、反トラスト法違反の可能性について懸念が表明されている。

その他、提案されたアイデアの中には、サウジアラビアで行なわれる「ワールドゴルフシリーズ」と呼ばれるチームイベントの開催や、LIVゴルフの運営はそのまま行なうが、秋季に開催するという変更。
PGAツアーと共存させるアイデア。
PGAツアーの指定試合のうち2試合を、PIFまたはサウジアラビアの石油会社であるアラムコがブランド化すること。
そしてPIFの代表であり、LIVゴルフを「私のベビー」と呼ぶ熱心なゴルファーでもあるヤシル・アル・ルマイヤン氏に、オーガスタナショナルGCのメンバーシップを提供することも含まれていた。

また、LIVゴルフ・コミッショナーであるグレッグ・ノーマンと、LIVゴルフの運営において重要な役割を果たしているイギリスのエージェンシー、パフォーマンス54を解任することも議論された。
『ワシントンポスト』によれば、交渉に詳しい2人の関係者がノーマンの解任を拒否したと伝えられている。
ただし、これらの詳細は5月30日に署名された枠組み合意書には含まれていなかった。

6月6日に発表された合意では、かなりの詳細が欠けていたが、基本的にはPGAツアーが現状のまま、PGAツアー会社として知られる非営利の601c–6体制の一部として残る計画を概説していた。

「PGAツアーエンタープライズ」の主導権はPGAツアーが掌握?!

©Eiko Oizumi

PIFの代表であり、PGAツアーエンタープライズの会長に就任予定のアル・ルマイヤン氏(左から2番目)と、グレッグ・ノーマン(右)。

©TMRW SPORTS

LIVに対抗するように結成された、タイガー・ウッズ(左)とローリー・マキロイの共同会社TMRWスポーツ。来年の1月からPGAツアーと共催で、インドアのチーム対抗戦が行なわれる予定だが、このイベントの動向に関する情報はまだ発表されていない。

©LIV GOLF

PIFの代表を務めるヤシル・アル・ルマイヤン氏が自ら現場に訪れることも多い、LIVゴルフ。今後も存続する可能性は高い。

新たな合同会社名が決定
PIFとPGAツアーの力関係は?

PGAツアー、DPワールドツアー、PIFの合同会社名が決まった。
「PGAツアーエンタープライズ」という名称だ。
この会社にはPGAツアー、DPワールドツアー、およびLIVゴルフの資産が含まれることになる。
合意によれば、PIFはツアーの新しい企業に少数株主として参加し、最も多くの理事席を持つ。
PIFの代表者のアル・ルマイヤン氏が会長に、モナハン氏がCEOになるとされている。

2023年7月11日に公開された文書により、両者が何を議論し、何を達成しようとしているのかがより明確になった。
副委員会の議長であるブルーメンタール氏は、公聴会前に提出された10ページの文書と265ページの電子メールを共有したが、これらのコミュニケーションの中には、PIFからの具体的な投資額やLIVゴルフの選手たちがPGAツアーに戻る方法に関する具体的なガイダンスは含まれていなかった。
ある提案では、アル・ルマイヤン氏がLIVゴルフのオファーを断った選手たちについて述べ、「ツアーに忠実であるPGAツアープレーヤーたちに補償するメリットを認識し、彼らの利益のために大きな均等化基金を設立する」と述べている。

公聴会では、PGAツアーのCOOであるプライス氏とダン氏がツアーを代表して出席。
プライス氏は文書で「ツアーは運営や新しい子会社の理事会をコントロールし、競技ゴルフにおける統括機関として、あらゆる合同ゴルフ事業に関連して意思決定を主導する」と述べている。

「この合意には、ツアーが将来を形作る意思決定を主導し、運営、戦略、および使命の継続性を制御することを保証する明確で、永続的な保護措置が含まれている」

ダン氏は上院議員たちに対して、彼自身はもはや交渉には関与していないと述べたが、「ツアーは完全な意思決定権を持つだろう……私たちはPIFによるゴルフへの不適切なコントロールに対するこれらの強力な保護措置なしに、少なくともこの初期の枠組み合意には到達しなかっただろう」という趣旨の発言を行なったのだ。

これらの詳細については、両サイドで解決すべき課題が残っており、その後PGAツアー政策委員会の承認を得る必要がある。
だが、この委員会は1人のメンバー、ランダル・スティーブンソン氏を失った。彼は12年間にわたり委員会のメンバーだったが、PIFとの合意に反対して辞任したのだ。

現在の12人の委員会(6人の独立した理事と6人の選手)におけるスティーブンソン氏のポジションは、合意に対する投票前に埋める必要はないとPGAツアーのスポークスマンが述べているが、一方で、アル・ルマイヤン氏は合意の一環として政策委員会の席を獲得することになっている。

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