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【ISPS NEWS】今年は日本の勝ち!第2回「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」でISPS契約選手の桂川有人が逆転優勝

第2回 ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!
2024年4月25日~28日/太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)/7262ヤード・パー70

欧州ツアーで、今年3人目の日本人チャンピオン誕生

ISPS契約選手・桂川有人が逆転優勝
欧州ツアーのシード権獲得!

優勝

桂川有人(国際スポーツ振興協会)
1998年10月9日生まれ。167cm、70kg。中学卒業後にフィリピンへゴルフ留学。2020年にプロ宣言。2022年「ISPS HANDA欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でレギュラーツアー初優勝し、最優秀新人賞獲得。2023年はコーンフェリーツアーに挑戦。左はISPS半田晴久会長、右はキャディの串田雅美さん。©Yasuhiro Imai
ロングパットを決めてガッツポーズする桂川。©Yasuhiro Imai

「バランス良く体を鍛え、ショートゲームの知識をイチから書き替えた成果が出て嬉しい」桂川有人

今季からコーチを務める目澤秀憲氏(右)。ショートゲームの改善と、ドローとフェードの打ち分けに取り組んでいる。©Eiko Oizumi
凱旋優勝を目指していた中島啓太は、最終日に71とスコアを落とし、通算10アンダーの11位タイに終わった。©Yasuhiro Imai
海外志向の強い木下稜介も、欧州ツアー優勝を狙っていたが、1つスコアを伸ばすにとどまり、3位タイで終了。©Yasuhiro Imai
ドライビングディスタンスは、河本力、幡地隆寛という飛ばし屋に次いで、平均302.96ヤードでツアー3位に。©Yasuhiro Imai
今年からクラブ契約がフリーに。ドライバー、アイアン、ウェッジはタイトリスト。フェアウェイウッドはテーラーメイド。UTはスリクソン。パターはオデッセイを使用している。©Eiko Oizumi

肉体とスイングをイチから見直したら……

 日本男子ゴルフツアー(JGTO)とDPワールドツアー(以下、欧州ツアー)との共催試合「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」は、太平洋クラブ御殿場コースで開催され、ISPS契約選手の桂川有人が優勝。JGTO2勝目、欧州ツアー初優勝を飾った。
今大会の優勝で、2026年までの欧州ツアーのシード権と、優勝賞金5448万3300円を獲得。
世界ランキングも434位から一気に179位に浮上した。

3日目を終えて、首位と3打差の8位タイにつけていた桂川は、最終日に「たぶんゴルフ人生で1番のラウンド」という自己最少スコアタイの63をマーク。
通算17アンダーとし、2位に3打差をつけて勝利を飾った。

「今年、1番勝ちたい試合の1つだったので、無事優勝できてホッとしている。今週の優勝は狙ってはいたけど、全然予想しておらず、とにかく必死だった。日本ツアーに集中していたので、準備が整い次第、なるべく早く欧州に行きたい」

12月から2月末にかけて、タイでみっちりトレーニングを積んだ桂川だが、今年から、松山英樹のコーチを以前務めた目澤秀憲氏とも契約し、氏の指導のもと、ショットの練習にも励んだ。
PGAツアーの舞台で戦うことを夢見て、昨年は下部ツアー(コーンフェリーツアー)にも挑戦したが、16試合中、予選通過7回(最高位は13位タイ)、予選落ち8回、棄権1回と大苦戦を強いられ、PGAツアーへは進めず。
「もう1度体の動きを見直して、スイング作りに取り組む。2024年は日本ツアーに専念する」と、海外ツアーへの挑戦をいったんストップし、国内ツアーへと気持ちを切り替えていた。

その成果が早速、開幕戦から現れた。
ドライビングディスタンスは、河本力、幡地隆寛に次ぎ、3位(302.96ヤード)。
「今は、キャリー300ヤードを目指していて、1月の『ソニーオープン』の時と比べても、ドライバーは10ヤード伸びているし、アイアンも1番手違う。体、技術、クラブと、全てがうまく揃って飛んでいるのだと思う。アイアンで番手を落として打てるので、その分球の高さを出しやすいし、いろんな状況に対応しやすい」と語っている。

そして以前から苦手意識のあったショートゲームも、目澤コーチの指導で一変。
小さい頃から感覚と経験でショートゲームを作り上げてきた彼は、コーチに一から知識を叩き込まれ、今大会中も重点的にショートゲームに取り組んでいた。

「最終日の朝、こういう場面が来るだろうというのを想定して、アプローチ、バンカーを練習したが、練習した状況が試合中にも出てきた。朝の練習がすごく効いたと思う」

欧州ツアーの日本人優勝は青木功以降、6人目

昨年9月に久常涼が。そして今年に入って2月に星野陸也、3月に中島啓太が欧州ツアー初優勝を飾っているが、今回桂川が勝ったことで、日本人6人目のチャンピオンが誕生した。
欧州ツアーでトップ10以内(有資格者は除く)に入れば、来季のPGAツアーのシード権を獲得できる。
星野、中島に加え、桂川にも久常のように欧州ツアーからPGAツアーへ行くルートが切り開かれた。

「DPワールドツアーから、久常選手がPGAツアーに上がっていったのを見て、本当にすごいと思っていたし、刺激を受けていた。自分も小さい頃からの憧れの場所であるPGAツアーに行って、強い選手と戦ってみたい。」

今後は、できるだけ早く欧州ツアーに本格参戦し、PGAツアーへの10枠に入ることが目標となる。

最終成績

優勝桂川有人−17
2位S·ソーデルベリ−14
3位C·ベザイデンハウト
M·シュナイダー
I·カンテロ
木下稜介
−12
7位T·マッキビン
川村昌弘
杉浦悠太
T·バイヨン
−11
11位金谷拓実
中島啓太
今平周吾
−10
30位M·パボン−7
42位鍋谷太一−5

予選落ち/谷原秀人、石川遼、堀川未来夢、中野麟太朗(アマ)

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Yasuhiro Iwai、ISPS

現場に行かなきゃわからない
O嬢レポート

日本の文化に挑戦!

習字にチャレンジしたニコラス・コルサーツ(左)、ラファ・カブレラ・ベロ(右から2番目)、桂川有人(右)。©ISPS
水彩画にも挑戦。コルサーツは富士山、カブレラ・ベロは鯉のぼりの絵を描き、桂川は「勝」の文字を添えた。©ISPS

昨年に続き、今年で2回目の「日本文化体験コーナー」。
今回のテーマは、習字と水彩画。ニコラス・コルサーツ、ラファ・カブレラ・ベロ、桂川有人の3人が、試合会場で挑戦した。

先生のお手本を見ながら、慣れない手つきで筆を動かす外国人勢だったが、見よう見まねで作品を完成。
皆、日本文化に触れることができ、楽しそうだった。

試合で初のホールインワン達成
米澤蓮

6番アイアンでホールインワンを達成した米澤。©Eiko Oizumi

米澤が、「試合では初めて」というホールインワンを初日の13番ホール(パー3)で達成。
賞金100万円が贈られた。「今年のツアーのエース第1号?嬉しいですね。
なんでも1番がいい」とニッコリ。
プライベートラウンドでは過去2回、
ホールインワンを達成していたそうだが、「今日のが1番短い距離」だったそうだ。

「ゴルフはもっと面白くないといけない」
マチュー・パボン

今大会、世界ランク最高位の21位で出場したマチュー・パボン。©Yasuhiro Imai

今年ISPSアンバサダーに就任し、PGAツアーに本格参戦。
すでに「ファーマーズ・インシュランスオープン」で1勝を挙げているパボンが、今年も日本にやってきた。

「今週は、富士山のすぐそばで大会が開催されていて最高だね。ゴルフは、ルールが少し厳しすぎる時もあるけど、もっと面白くしないといけないから、エンタメを取り入れるのはいいことだと思う。半田会長はとても素敵で温かい試合を作ってくれていると思う」と大満足。

また、最近の海外ツアーでの日本人の活躍について聞いてみると、「PGAツアーにはヒデキ(松山)がいて、すでに日本人の実力は証明されている。今回、ケイタ(中島)と一緒に回ったが、素晴らしい選手。近い将来、PGAツアーに行って活躍できるだろう」と太鼓判を押した。

今後はアマチュアの試合で頑張る!
中野麟太朗(アマ)

予選ラウンドを、香港のコー・タイチ(左)とプレーした中野。コーは昨年プロ入りし、すでにアジアンツアーで1勝を挙げている。©Eiko Oizumi

もともと出場資格がなかった早稲田大学3年生の中野は、大会直前にISPS半田会長に手紙を書き、「どうしても出場したい」と懇願。
すでに欧州のアマチュアの出場が決まっており、出場は不可能だったが、英国人アマがビザのトラブルに見舞われて出場できなくなると、中野にチャンスが回ってきた。

予選ラウンドを終えて、2打足りずに予選落ちした中野は「プロの試合で結果を残したかったけど、僕はまだ早いですね。予選通過ギリギリで大丈夫かなと言ってるくらいじゃダメ。(10月に太平洋クラブ御殿場コースで開催される)『アジアパシフィックアマ』で優勝を狙います」と先を見据えた。

予選ラウンドでは、昨年プロ入りしたコー・タイチとプレー。
「一緒に回りたいと思っていた1人。飛ぶし、ショットもすごい。タイチさんのように、英語ができるようになれば、メンタル面でも安定すると思う」と語った。

今年はさらにパワーアップ!!
ISPSのゴルフ文化の創造

2人の歌姫のコンサート&リアルに動く巨大恐竜
1000発の花火もドカーン!!

歌姫のコンサート

メゾソプラノ歌手キャサリン・ジェンキンス

英国・ウェールズ出身のメゾソプラノ歌手、キャサリン・ジェンキンス氏(左)。「今世紀で最も売れたクラシックアーティスト」と認定された。©ISPS

歌手・女優のヴァネッサ・ウィリアムス

アメリカの代表的歌手の1人であり、女優のヴァネッサ・ウィリアムス氏。©ISPS

1000発花火

半田会長が作曲した曲に合わせて、富士の裾野で花火が打ち上げられた。©ISPS

大恐竜

リアルに動く、巨大恐竜が約20頭、配置された。©Eiko Oizumi

大道芸

毎日2回特設ステージで大道芸を披露。©ISPS

お化け屋敷

優勝した桂川も、1度体験したお化け屋敷。©Yasuhiro Imai

ディスコ

プロのDJによる野外ディスコフィーバーも。©ISPS
今年も国内外の12人のISPSアンバサダーが大会を盛り上げた。©ISPS

大会後にコンサートを開くなど、DPワールドツアーもギャラリーサービスのために趣向をこらしているが、ISPS半田会長の「ゴルフ文化の創造」に比べれば、まだまだ甘い。

今年はよりパワーアップして、リアルに動く恐竜を約20体設置。御殿場コースがジュラシック・パークと化した。
また、桂川有人らプロゴルファーも本気で怖がる「お化け屋敷」も設置し、行列ができるほど大人気だった。

さらに週末2日間には、特別ゲストとして欧米の歌姫2人(キャサリン・ジェンキンス、ヴァネッサ・ウィリアムス)が無料コンサートを開き、美しい歌声を披露。
その後は半田会長やISPSアンバサダーで元ラグビー選手のマイク・ティンダル氏も参加して、ディスコタイムを盛り上げた。

最終日の表彰式、コンサートが終わると、半田会長が作曲した音楽と連動した「1000発の花火」の打ち上げでフィナーレを飾った。
夜空に美しい花火が次々に上がり、大勢のギャラリーや関係者を最後まで楽しませたのだった。

次回の「ゴルフ文化」がどのようになるのか、今から非常に楽しみだが、ISPSの試合にはゴルフトーナメント観戦だけではない楽しみが大いに詰まっている。

Photo/Yasuhiro Iwai、Eiko Oizumi、ISPS

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