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【ゴルフと私】第9回 人間の根底に存在する差別意識を大きく変える力

人間の根底に存在する差別意識を大きく変える力

国際スポーツ振興協会・会長 半田晴久

 

松山英樹がアジア人初の「マスターズ」チャンピオンに。日本のゴルフ史だけでなく、オーガスタの歴史、世界の歴史も変わってくるだろう。

 

松山英樹選手が、アジア人として初めて「マスターズ」で優勝しました。
今まで不可能と思われたことを可能にしたのです。
心からおめでとうと申し上げたい。
そして、この勝利は、大きな流れを変える原動力になると、期待しています。

正直言って、私は世間が騒ぐほど「マスターズ」は好きではありません。
他のメジャーと比べ、「権威主義」や「白人至上主義」が感じられるからです。
オーガスタを造ったボビー・ジョーンズは、誰もが楽しめる理想のゴルフコースを目指して建設したはず。
しかし、彼が亡くなった後、いつの間にか名門意識が「排他主義」に変わっていったようです。
それが、黒人や女性を受け入れない姿勢につながっていきました。

その排他的・差別主義を打ち破ったのは、タイガー・ウッズでしょう。
彼の「マスターズ」における驚異的な活躍と、メッセージが社会を動かし、頑なな差別・権威・閉鎖性に風穴を開けました。
黒人女性であるコンドリーザ・ライス元国務長官をメンバーに受け入れ、人種や女性に対する偏見から解放。
そして、黒人で初めて「マスターズ」に出場した、リー・エルダーを今年オナラリースターターとして、招待したのです。

「マスターズ」は、アジア人にも門戸を開きました。
2009年に、「アジア・パシフィックアマチュア選手権」を開催し、アジア人アマが大会に出場できる機会を設けたのです。
松山選手は、この2回目の大会で優勝し、日本人アマとして、初めて「マスターズ」に出場したのです。そして、2011年にローアマを獲得しました。

現在、アメリカでは新型コロナが原因と思われる、アジア系アメリカ人、アジア人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が多発しています。
これは、アジア人に対する、差別意識が根底にあると思います。
そうした中で、松山選手の優勝は大きな意義があります。
今回の彼は、まさにサムライのように控えめで、威風堂々とした戦いぶり。
キャディの早藤将太さんが、優勝後にオーガスタのコースに向かって、深々とお辞儀をした姿。
あれは、礼節ある武士道精神として、世界中の関心を呼びました。
アジア人の誇りを見せたのです。

余談ですが、この「マスターズ」の期間中、全米ゴルフ記者協会の記者の投票による、年間優秀選手の表彰式が現地で行なわれます。
この式典のスポンサーは、数年前からISPSがなっています。
これまでに、タイガー・ウッズやローリー・マキロイなども、受賞しています。
もし、松山選手が、今年東京五輪の金メダル獲得を実現すれば、最有力候補になるでしょう。

受賞すれば、私が行って表彰したいです。
今までは、イギリス王室やニュージーランド元首相に、お願いしてました。
ゴルフの原点を考えたら、オーガスタが好きになれないのと、偉そうぶる全米ゴルフ記者達を、納得させるためです。
マスターズには招待されても行かなかったのですが、松山のためなら行きたいです。
そして、オーガスタが、ゴルフの原点の平等さやフレンドリーに基づく、真の名門になる事を願っています。

 

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