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【世界のゴルフ通信】From Latin ラテンアメリカPGAツアーが3か月ぶりに再開

ラテンスポーツ界が戦慄!
マスターズチャンピオンのアンヘル・カブレラ逮捕!

©Getty Images

2009年「マスターズ」で優勝したアンヘル・カブレラ(右)。前年優勝者のトレバー・イメルマンからジャケットを授与された。

 

暴力・窃盗・脅迫……
地に落ちたメジャーチャンピオン

メジャー2勝のアルゼンチンのレジェンド、アンヘル・カブレラが逮捕された。

ブラジルのメディアによると、彼は元パートナー3名にDVで告発され、ブラジルの連邦警察(PF)とインターポールは1月中旬、リオ・デ・ジャネイロの上流階級エリア・レブロン地区にあるアパートで彼を逮捕した。
ブラジリアのインターポール国家中央事務局は、カブレラがアルゼンチン司法からの逃亡者とみなしており、当局の要請により、アルゼンチンの最高裁判所「アルゼンチン連邦最高裁判所(STF)」が発行した犯罪者引き渡し目的の予防拘禁命令をもって逮捕。
ブラジルで拘束された。

国際報道機関によると、彼は3名の元妻によって身体的な暴力および口頭による攻撃で告発され、元妻の一人のセシリア・トーレスは彼に生命を脅かされたと主張している。

彼の訴訟事件は2016年12月に始まる。
ブエノスアイレスから北西700キロにあるコルドバのビージャ・アジェンデで彼と3年間を共に過ごした当時の妻、セシリア・トーレスの弁護士によると「虐待と顔面への殴打」があったという。
トーレスは2017年と2018年にも「傷害と脅迫」に関する2件の訴状を提出しており、コルドバにある家庭内暴力検察当局に告訴した。

また、警察官である36歳の女性は、51歳のカブレラとの交際中に苦しんだ暴力について、コルドバの新聞のインタビューで次のように語った。

「法廷で私がなぜ、彼から逃げなかったのかと尋ねられましたが、それは私と家族を彼が脅迫したから。
別れたいと言うと彼は私を脅し、家族の命もない、と脅迫したんです。
彼を追い出す方法なんてなかった。司法は理解してくれず、私になぜ、関係を継続したのかを尋ね続けました。
彼はどんな規則も全て破るような人であり、私の家族の生活は危険にさらされていたんです」

だが、訴訟中の事件はこれだけではない。合計で3名の女性が彼を訴えており、他にも、彼の元妻で彼の2人目の子供の母親シルビア・リバデロが告訴するものと見られている。
彼女はカブレラに脅迫された時の音声メッセージを、司法に渡している。

また、カブレラに対して公式に申し立てを行なった女性にミカエラ・エスクデロがいる。彼女は2014年から2016年まで交際しており、彼による「脅迫と強制」を告発した。

連邦警察の声明によれば、カブレラはアルゼンチンの複数の裁判所から、2016年、2018年、2020年に犯した「肉体的暴行、窃盗、当局への度重なる不服従、および脅迫」の罪で告発されているという。
そしてアルゼンチンのコルドバの刑務所に収監され、いくつかの処分を受ける必要があるとしている。

彼のツイッターとインスタグラムのアカウント上での最後の投稿は、2020年11月25日であり、マラドーナ死去の時のものであった。
「最も偉大なる人よ、ありがとう。ディエゴ・アルマンド、あなたがいなくなって寂しい!」

©Clarin.com

逮捕当時の写真(Clarin.comより)。

 

ラテンアメリカPGAツアーが3ヶ月ぶりに再開!

©Getty Images

2020年3月上旬、新型コロナウイルスの影響でツアーが中断する直前にメキシコで開催された「エストレーラ・デルマー・オープン」。優勝はブラジル人のアレキサンドレ・ロカ。今年は「メキシコオープン」として3月25~28日に開催された。

 

©︎PGA TOUR

PGAツアー1勝を挙げているチリのホアキン・ニーマン。今季「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」ではプレーオフの末、敗退。

 

ラテンアメリカPGAツアーいよいよ開幕

さて、話は変わってラテンアメリカPGAツアーの話をしよう。

昨年の12月にドミニカ共和国で開催された「プエルト・プラタオープン」以来、3か月ぶりにツアーが始まった。
3月25~28日にマサトランにあるエストレーラ・デルマー・リゾートで「メキシコオープン」が開催され、もう1試合「バンコ・デル・パシフィコ・オープン」が5月13~16日、キト・テニス&ゴルフ・クラブにて開催されることが決定している。

この大会は2014年以来、南米ツアーのメインイベントとなっているが、2020年はコロナの影響で開催されなかった。

2020年3月、「エストレーラ・デルマー・オープン」が開催され、ブラジル人のアレキサンドレ・ロカが29アンダー、2位のメキシコのアルバロ・オルティスに3打差をつけて優勝した。
しかしその3週間後に新型コロナウイルスを理由にシーズンは終了。
同ツアーは2020~21年と2年に渡るスケジュールにシフトすることになった。

これにより選手たちはシーズン中に2度、エストレーラ・デルマーを訪れることとなった。

ツアーからは近い将来、残りのシーズンのトーナメントスケジュールについて発表されるが、プログラムは、晩春ないしは初夏には結論が出ると期待されている。

南米出身の若手が続々登場

昨年、PGAツアー「ビビント・ヒューストン・オープン」で優勝したカルロス・オルティス(29歳)や2018年「エミレーツ・オーストラリアンオープン」で優勝し、2019年「プレジデンツカップ」世界選抜チームにも選ばれたエイブラハム・アンサー(30歳)。
2020年に「ミリタリートリビュート・アット・ザ・グリーンブライヤー」でPGAツアー初優勝を遂げたチリ人のホアキン・ニーマン(22歳)は現在、PGAツアーで活躍するラテンの3大若手選手。

だが、その後に続いてブレークしそうなコロンビア人選手がカミロ・アグアド(26歳)とイバン・カミーロ・ラミレズ(23歳)の2人だ。

アグアドは2019年ラテンアメリカPGAツアーで素晴らしい成績を挙げ、ラミレズ(23歳)は2020年のPGAツアー・ラテンアメリカ唯一のイベントである「エストレーラ・デルマー・オープン」で15位タイの成績を収めた。

これまで南米はロベルト・ビセンゾやチチ・ロドリゲス、エドワルド・ロメロ、アンヘル・カブレラといった選手を輩出してきたが、現在はこうした選手の後に続く若手が続々と登場している。

Text/Isabel Trillo Amores

イサベル・トリロ・アモーレス(スペイン)

PGA・オブ・スペインのコミュニケーションディレクター。80年代後半からゴルフ取材を始め、その数は世界250試合以上。ゴルフのラジオ番組も手がける。

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