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【世界キテレツゴルフ図鑑】第25回
南極大陸の雪原に鎮座するゴルフボールのような白い球体…
いったいこれは?

南極のゴルフボール

McMurdo Station/Antarctica
マクマード基地(南極大陸)

南極の観測基地周辺の丘の上に、巨大な「ゴルフボール」のような球体が鎮座している。
実際、基地で働く人々はこれを「ゴルフボール」と呼んでいるそうだが、いったいこれは何なのだろうか?

マクマード基地は、アメリカの南極観測基地で、南緯77度51分、東経166度40分のロス島ハットポイント半島南端部に位置する。1956年に設営した拠点で、アメリカ国立科学財団南極プログラムが保有。Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)
南極には本格的なゴルフ場はないが、9ホールの「ディスクゴルフ場」がある。2005年にマクマード造船所付近に造られた。Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)
ディスクゴルフ場のレイアウト。プレー中、シロクマに遭遇することもある。Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)
白いゴルフボールのような球体は、NASAの測地線ドーム。ドーム内には10メートルのアンテナがあるという。Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)
南極大陸最大の観測地·マクマード。夏季には1200名の隊員がいるが、冬季は180名まで減少するという。Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)

 ニュージーランドから空路5時間ほど南下すると、南極大陸が現れるが、南極の観測基地の中でも特に規模の大きなものの一つが、アメリカの「マクマード基地」だ。
100以上の建物で構成されており、アクセスも容易。
滑走路が3本あるほか、船舶の接岸が可能で、ニュージーランドのクライストチャーチから、南極へのクルーズ船が立ち寄ることもあるそうだ。

 そんなマクマード基地を見下ろす丘の頂上には、基地のどこからでも見える巨大なゴルフボールのような球体がある。
これは、NASAの測地線ドームで、ドームの中には、直径10メートルのアンテナがあり、ほぼ90分ごとに地球の周りを高速で飛行する科学衛星や地球観測衛星を追跡しているという。
最近の大陸の氷床の後退に伴う、地球の水位を監視するミッションも含まれており、科学のための衛星通信において、重要な役割を果たしているのだ。

 なお、1年中、平均気温が氷点下のこの地では、芝の上でのゴルフを楽しむことはできないが、「ディスクゴルフ」という、バスケットの中にフリスビーを入れてスコアを競うスポーツが親しまれている。
マクマードの造船所の近くに9ホールのコースが広がっており、氷点下の寒さの中、デコボコの急斜面に設置されているバスケットに投げ入れることが要求されるため、「世界で最も過酷なディスクゴルフ場」と呼ばれている。

Text/Eiko Oizumi
Photo/National Science Foundation(Elaine Hood, Peter Rejcek,Mike Lucibella)

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