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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント!第10回「コロナ渦で無観客で開催されたオリンピックゴルフの経済効果は?」

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「コロナ渦で無観客で開催されたオリンピックゴルフの 経済効果」です。

ゴルフ人口の3倍の人々がオリンピックゴルフを視聴

©Koji Kitamura

東京2020オリンピック・パラリンピックは新型コロナの影響で、一時開催も危ぶまれたが、海外からの観客の受け入れ見送り、開幕の半月前になって、最終的に無観客で開催することが決定された。
野村総合研究所によると、海外からの観客100万人を受け入れなくなることで、宿泊費、飲食費、交通費など1511億円の経済効果が失われ、さらに無観客となったことでチケット収入900億円、宿泊費など1468億円の経済効果が失われた。
ただ、大会が開催されたことでオペレーション、広報、マーケティングなどの大会運営費(1兆2070億円)や新型コロナウイルス対策費(960億円)など、合計で1兆8108億円という大金が動いたことになり、1兆6640億円の経済効果があったと算出されている。

また、ビデオリサーチによると、7月23日に行なわれたオリンピックの開会式の関東地区の番組平均視聴率は56・4%で、リアルタイムで視聴した人は日本全国で推計7326・8万人に上る。
最新の総務省の国勢調査速報値で日本の人口は1億2622万7000人で、総人口の58%が開会式を観た計算だ。

さて、男女のゴルフ競技の視聴率だが、ビデオリサーチによると男子ゴルフ競技の最終日の関東地区視聴率は20・7%で全国の推定視聴人数は2554・7万人、女子の最終日は同16・4%で2229・4万人であった。
日本では女子ゴルフ人気が男子ゴルフをしのぐとはいえ、今回の五輪では男子ゴルフの方が視聴率が高かったのは興味深い。
おそらく、普段ゴルフ中継を観ているゴルフファンだけでなく、スポーツ好きの視聴者に、「マスターズ」優勝でさらに知名度を上げた松山英樹のメダル獲りを観たい、という人が多かったのではないだろうか?

また、男子決勝は日曜日の夕方に放映されていたこともあり、視聴しやすかったのに対し、女子決勝は土曜日、しかも悪天候でスタート時間を早めることで13時頃に決着がついたため、視聴のタイミングがズレてしまったのかもしれない。
日本のゴルフ人口が850万人と言われる中で、今までゴルフに興味がなかったゴルフ人口の3倍近くの人たちが視聴したことは、今後のゴルフの振興の大きな推進力になることは間違いない。
これこそが、経済効果、レガシーかもしれない。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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